岡本隆司

岡本隆司：中国近代史と東アジア国際関係史の専門家

岡本隆司氏は、1965年生まれの日本の歴史学者で、中国近代史および東アジア国際関係史を専門としています。京都大学で博士号（文学）を取得後、長年にわたり研究と教育に携わってきました。現在は早稲田大学の教授を務め、京都府立大学の名誉教授でもあります。

学歴と職歴

岡本氏は京都市で生まれ、1988年に神戸大学文学部を卒業しました。その後、京都大学大学院文学研究科に進み、1993年に博士課程を満期退学。1996年には「清末洋関の起源」というテーマで博士号を取得しました。

1994年からは宮崎大学教育学部で講師、後に助教授として教鞭を執りました。その後、京都府立大学に移り、文学部助教授、准教授を経て、2016年には教授に就任しました。そして、2024年からは早稲田大学教育・総合科学学術院の教授として活躍しています。

受賞歴と栄誉

岡本氏の研究業績は高く評価されており、数々の賞を受賞しています。

2000年：大平正芳記念賞 - 著書『近代中国と海関』に対して
2005年：サントリー学芸賞（政治・経済部門）- 著書『属国と自主のあいだ』に対して
2017年：アジア・太平洋賞特別賞 - 著書『中国の誕生』に対して
2017年：樫山純三賞 - 著書『中国の誕生』に対して

主な著作

岡本氏は、数多くの著書を執筆しており、その研究成果は広く社会に共有されています。以下に主な単著を挙げます。

『近代中国と海関』（1999年）
『属国と自主のあいだ　近代清韓関係と東アジアの命運』（2004年）
『馬建忠の中国近代』（2007年）
『世界のなかの日清韓関係史　交隣と属国、自主と独立』（2008年）
『中国「反日」の源流』（2011年）
『李鴻章―東アジアの近代』（2011年）
『ラザフォード・オルコック 東アジアと大英帝国』（2012年）
『近代中国史』（2013年）
『袁世凱　現代中国の出発』（2015年）
『日中関係史 「政冷経熱」の千五百年』（2015年）
『中国の誕生 東アジアの近代外交と国家形成』（2017年）
『清朝の興亡と中華のゆくえ 朝鮮出兵から日露戦争へ』（2017年）
『世界史序説　アジア史から一望する』（2018年）
『近代日本の中国観　石橋湛山・内藤湖南から谷川道雄まで』（2018年）
『歴史で読む中国の不可解』（2018年）
『腐敗と格差の中国史』（2019年）
『世界史とつなげて学ぶ 中国全史』（2019年）
『君主号の世界史』（2019年）
『東アジアの論理　日中韓の歴史から読み解く』（2020年）
『「中国」の形成　現代への展望』（2020年）
『教養としての「中国史」の読み方』（2020年）
『中国史とつなげて学ぶ日本全史』（2021年）
『明代とは何か 「危機」の世界史と東アジア』（2022年）
『曾国藩 「英雄」と中国史』（2022年）
『悪党たちの中華帝国』（2022年）
『物語 江南の歴史 もうひとつの中国史』（2023年）

これらの著作は、中国近現代史、東アジアの国際関係、さらには世界史における中国の位置づけなど、多岐にわたるテーマを扱っています。特に、『中国の誕生』や『属国と自主のあいだ』などは、東アジアの歴史を理解する上で重要な文献とされています。

また、共著や編著、翻訳にも携わっており、その活動は非常に多岐にわたります。

研究テーマ

岡本氏の研究テーマは、中国の近代史、特に清朝末期から中華民国初期にかけての政治、経済、外交、社会に焦点を当てています。また、東アジアの国際関係史にも関心を持ち、中国と周辺諸国との関係を歴史的視点から分析しています。

研究の特徴

岡本氏の研究の特徴は、歴史的文脈を重視し、多角的な視点から中国近現代史を捉えようとするところです。また、豊富な史料に基づいた厳密な分析と、わかりやすい文章表現で読者を魅了します。その研究は、中国の歴史を深く理解する上で欠かせないものとなっています。

今後の展望

岡本氏は、これからも歴史研究と教育活動を通じて、中国および東アジアの歴史を深く掘り下げ、新たな知見を提供し続けるでしょう。彼の研究は、現代社会が抱える課題を理解し、より良い未来を築くための重要な道標となるでしょう。

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