樫山純三

樫山 純三（かしやま じゅんぞう）

樫山純三は、1901年9月21日に長野県北佐久郡小諸町（現・小諸市）で生まれ、日本の実業界において影響力を持つ人物となった。彼はオンワード樫山の創業者であり、競走馬のオーナーとしても名を馳せた。純三の家系は白檮山氏で、彼の商業への第一歩は、尋常小学校を卒業後に三越呉服店で丁稚奉公を始めたことであった。ここで商業の基礎を学ぶことができた。

その後、大阪貿易学校を卒業した彼は、1927年に大阪で樫山商店を設立。業績を上げたこの商店は1947年には株式会社化され、今のオンワードホールディングスの前身となる樫山株式会社が設立された。さらに1960年にはオンワード牧場を創設し、自ら競走馬のブリーダーとしての道を歩み始める。このように、純三は実業家としての成功を収めながら、競馬界でも顕著な功績をも残した。

樫山純三は競走馬のオーナーとしても知られ、特に「ハードツービート」を所有していたことで有名である。彼はこの馬を使い、フランスダービー（ジョッケクルブ賞）で日本人初の勝利を収め、国際的なホースマンとしての地位を築いた。彼の勝負服のデザインは、国内外で「黒、青袖」が主流だった。この功績を受け、彼の死後も夫人の樫山ハルが競馬事業を継承し、2012年まで運営を続けた。

彼が所有した著名な競走馬には、桜花賞や優駿牝馬（オークス）で活躍した「ミスオンワード」、天皇賞（春）や有馬記念を勝った「オンワードゼア」、毎日杯や神戸杯を制した「オンワードセカンド」、ハードツービートをはじめとする多くの名馬がいる。各馬の活躍は、彼が競馬界にもたらした影響を象徴している。

さらに、樫山純三は社会貢献にも力を注いでおり、1977年には樫山奨学財団を設立。この財団は、国内外の若い人材を育成することを目的としている。樫山純三賞という学術賞もこの財団の一環として創設され、現代アジア研究において優れた業績を上げた著者に贈られている。この賞は毎年、学術書と一般書の2件を選出し、それぞれに賞状と賞金が贈呈される。

1986年6月1日、樫山純三は84歳でこの世を去った。彼の墓所は故郷の小諸市にある荒町海應院に位置している。樫山の生涯と業績は、実業界や競馬界において今もなお語り継がれており、彼の影響は多くの人々に記憶され続けている。

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