岡村基春

岡村基春の生涯

岡村基春（おかむら もとはる、1901年 - 1948年7月13日）は、日本の海軍において重要な役割を果たした軍人です。高知県安芸市に生まれ、1922年に海軍兵学校を卒業後、長年にわたり飛行機の操縦や特攻作戦で知られるようになりました。その最終階級は海軍大佐でした。彼の生涯には数多くの功績があり、また波乱万丈な出来事が重なっています。

初期の経歴

岡村は1901年に瓦葺き職人の家に生まれ、兄姉にはそれぞれ軍人や関係者がいます。短い身長でありながら、豪放な性格と細やかな配慮を兼ね備えた人物でした。岡村は海軍兵学校を第50期生として卒業し、その後戦闘機搭乗員としての訓練を受けます。特に、彼は編隊飛行の名手として知られ、横須賀航空隊では「岡村サーカス」として公演を行うほどの腕前でした。

飛行機の進化と事故

彼の業績の一つに、固定銃空中射撃教育法の研究があります。1934年には試験飛行中の事故で指を三本失い、その後は不自由さを抱えながらも操縦を続けました。岡村は自らの怪我を祝うために仲間を招待するなど、根っからの人望の厚い性格が窺えます。

戦争の時代

岡村は日中戦争や太平洋戦争に従事し、数々の航空隊長を歴任しました。特に1944年には特攻兵器である「桜花」の部隊を指揮し、特攻の策を練る中心人物となります。彼は体当たり攻撃の志願者を集め、彼らに戦闘機を与えることを強く希望しました。

桜花部隊と特攻作戦

1944年、岡村は第721海軍航空隊（神雷部隊）の司令官に就任します。神雷部隊は、岡村自身が命名し、特攻任務を遂行するための専任部隊でした。彼は隊員たちに自由な時間を与え、非常に気配りをしながら生活させる一方で、出撃の際の準備を怠らないように指導しました。完全に自信を持たせることを重視し、隊員たちの生活を温かく見守りました。

出撃の実態と岡村の思い

初回の桜花作戦では、岡村自らが指揮をすることを申し出たものの、部下の強い抵抗により出撃を実施することになります。残念ながらこの出撃では成果を挙げることはできませんでしたが、岡村はその経験を活かし、少数機による夜間攻撃を軸とした新たな戦術に修正していきます。これにより、桜花の作戦は徐々に成功するようになっていきました。

戦後の経緯

戦争の終結を迎えると、岡村はその職務からの責任感に押しつぶされるかのように、終戦を受け入れられない状況にありました。彼は最後の指揮を中断する形で、広島へと疎開し、さらには公職追放を受けることになります。1948年、岡村はGHQからの召喚を受け、上京の途中で自ら命を絶ちました。彼の人生は特攻という過酷な現実とも相まって、多くの人々にその思いを伝えることとなりました。

まとめ

岡村基春の生涯は、時代に翻弄された海軍軍人のストーリーです。彼の特攻作戦への関与や、その後の生涯は、日本の軍事史における特異な部分を形成しています。岡村の行動は、戦争の悲惨さや人間のもろさについて、今でも考えさせられるものがあります。

もう一度検索