岡橋治助

岡橋治助は、文政8年（1826年）に大和国十市郡（現在の奈良県田原本町）に生まれました。幼名は留吉といい、後に岡橋清左衛門と名乗りました。

天保13年（1842年）に大坂に出て、太物商の島屋で商売見習いを始めました。安政3年（1856年）には、島屋の別家である油屋治助の店を任され、木綿商として独立しました。岡橋は、その才覚を発揮し、大阪屈指の木綿問屋へと成長させました。

明治維新後、岡橋は実業界に転身しました。明治11年（1878年）には、第三十四国立銀行（後の三和銀行）を設立し、頭取に就任しました。また、和歌山第四十三銀行、日本共同銀行、中立貯蓄銀行、日本中立銀行など、多くの銀行経営にも関与しました。

銀行業以外にも、大阪・河南の諸鉄道、日本生命保険、日本火災保険、日本倉庫、帝国物産など、30以上の事業創設に参画しました。これらの事業を通じて、大阪の経済発展に大きく貢献しました。

特に力を注いだのが、紡績業でした。明治20年（1887年）に天満紡績を設立し、社長に就任しました。さらに、日本綿花、日本紡績などの育成・発展にも尽力し、大阪綿紡績界の草分けとして知られています。

岡橋は、大阪商業会議所特別議員も務め、大阪経済界の重鎮として活躍しました。明治41年（1908年）に隠居し、清左衛門と改名しました。大正2年（1913年）11月2日、87歳で生涯を閉じました。

岡橋治助は、その先見性と行動力で、大阪の経済発展に大きく貢献した人物として、今もなお高く評価されています。彼の功績は、大阪経済史に燦然と輝いています。

岡橋治助の主な功績

第三十四国立銀行（三和銀行の前身）の設立と経営
天満紡績の設立と経営
日本綿花、日本紡績などの育成・発展への貢献
大阪・河南の諸鉄道、日本生命保険、日本火災保険、日本倉庫、帝国物産など、30以上の事業創設への参画
* 大阪商業会議所特別議員としての活躍

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