岡田裕

岡田裕（おかだ ゆう）は、1946年（昭和21年）3月、山口県光市に生まれました。彼は、江戸時代から続く由緒ある萩焼の窯元、岡田窯の八代目であり、山口県指定無形文化財萩焼保持者として、その伝統と技術を継承しています。

生い立ちと陶芸への道

1946年3月、岡田裕は岡田窯七代、岡田仙舟の長男として、父の赴任先である山口県光市で生を受けました。1964年に神奈川県立厚木高等学校を卒業後、1968年には慶応義塾大学法学部を卒業しました。当初は水産会社である株式会社極洋に入社しましたが、萩焼の魅力に強く惹かれ、1972年に退社。父である仙舟に師事し、陶芸の道へと足を踏み入れました。2004年に仙舟が亡くなった後、岡田窯八代目を襲名しました。

作陶活動と評価

岡田裕は、1977年に日本工芸会山口支部研究会員となり、1978年には萩女子短期大学の非常勤講師に就任（1999年まで）。1979年には第26回日本伝統工芸展に入選を果たし、その才能を広く知らしめました。1984年には茶の湯の造形展（田部美術館）で優秀賞を受賞。その後も、第31回日本伝統工芸展などで入選を重ね、1988年には萩市文化奨励賞（杉道助賞）を受賞しています。2006年には山口県指定無形文化財に認定され、2017年には旭日双光章を受章するなど、その功績は高く評価されています。

作風の特徴

岡田裕の作品の特徴は、シルクロードへの度重なる視察旅行から得たインスピレーションを基に編み出された「炎彩」技法にあります。この技法は、炎の力を巧みに操り、独特の色合いや模様を陶器に焼き付けるもので、彼の作品に深みと個性を与えています。伝統的な萩焼の技法を踏襲しつつ、現代的な感覚を取り入れた作品は、多くの人々を魅了しています。

所属と資格

岡田裕は、以下の団体に所属し、その活動を支えています。

日本工芸会正会員、同山口支部参予
萩焼陶芸家協会専務理事
日本陶芸美術協会会員
山口県指定無形文化財萩焼保持者

作品の収蔵

彼の作品は、国内外の著名な美術館に収蔵されています。

東京国立近代美術館
外務省
山口県立美術館
田部美術館
そごう美術館
山口県立萩美術館
茨城県陶芸美術館
岐阜県立現代陶芸美術館
兵庫県立美術館
益子陶芸美術館
山口県立萩美術館・浦上記念館

関連事項

萩焼

岡田裕は、伝統を守りながらも、常に新たな表現を追求する陶芸家です。彼の作品は、萩焼の新たな可能性を示しており、今後の活躍が期待されています。

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