岡野光喜

岡野光喜（おかの みつよし）

岡野光喜は、1945年2月5日に静岡県で生まれた日本の著名な銀行家です。彼はスルガ銀行（旧・駿河銀行）の創業家に生まれ、金融界の中で重要な役割を果たしてきました。岡野の家族には、銀行の長い歴史があり、曾祖父の岡野喜太郎はスルガ銀行の初代頭取、父の岡野喜一郎は同銀行の第三代頭取を務めていました。さらに、彼の実弟である岡野喜之助も同銀行の副社長兼COOとして活躍していました。

岡野は慶應義塾大学を卒業後、富士銀行での勤務を経てスルガ銀行に入行しました。彼は1985年に当時の最年少頭取として銀行のトップに就任し、個人向けリテール業務の強化を図りました。その取り組みの一環として、頭取の呼称を社長に変更し、組織の改革を進めました。

2016年6月には、世代交代を意識し、若返りを図るため会長職に退いたものの、経営への関与は続ける意向を示していました。しかし、2018年には、スルガ銀行の不正融資問題に関与し、第三者委員会による調査の結果、最も責任があると判断され、会長職を辞任しました。

その後、彼はスルガ銀行系のいくつかの団体で理事や評議員の職にありましたが、2019年にはそれらの役職についても辞任が承認されました。岡野の在任中の役員報酬は高額で、2013年度から2018年度までの間に何度も億単位の報酬を受け取っていました。

その後も、スルガ銀行は不正融資による損失の賠償として岡野らと連帯して35億円を支払うよう求める訴訟を提起しました。

略歴

岡野は以下のような経歴を持っています。

• - 1960年 - 慶應義塾中等部卒業
• - 1963年 - 慶應義塾高等学校卒業
• - 1967年 - 慶應義塾大学経済学部卒業、米国・アイオワ州コーネルカレッジに留学
• - 1969年 - 富士銀行入行、ロンドン支店などで勤務
• - 1975年 - 駿河銀行入行
• - 1979年 - 取締役に就任
• - 1980年 - 常務取締役に就任
• - 1983年 - 専務取締役に就任
• - 1985年 - 代表取締役頭取に就任
• - 1998年 - 代表取締役社長に就任
• - 2000年 - 代表取締役社長兼CEOに就任
• - 2016年 - 代表取締役会長兼CEOに就任
• - 2018年 - 不正融資問題の責任をとり辞任

著作

岡野光喜は自身の経験を基にした著書も発表しており、特に以下の作品が知られています。

• - 『岡野光喜の国際ビジネスマン訪問』（1981年、ケイザイ春秋社）

また、彼はA.ラパポートの『株式公開と経営戦略』の監訳も行っています（1989年、東洋経済新報社）。

岡野光喜のキャリアは、銀行業界の中でも特異なものであり、その影響力は現在も感じられています。

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