岩国刑務所

岩国刑務所：歴史と現代の矯正施設

岩国刑務所は、山口県岩国市に位置する法務省広島矯正管区所属の女子刑務所です。JR西岩国駅から徒歩わずか3分というアクセス利便性の高さも特徴です。収容定員は355名で、W級の収容分類級に指定されています。

歴史を紐解く

岩国刑務所の歴史は深く、その前身は1922年（大正11年）に開設された岩国少年刑務所まで遡ります。当時の定員は349名で、16部屋の罰房を備えていました。少年刑務所として機能していた時代を経て、1989年（平成元年）11月28日、現在の岩国刑務所として新たなスタートを切りました。同時に岩国少年刑務所は廃止されています。

さらに歴史を遡ると、江戸時代には錦見村（当時）に旧岩国藩の断獄所が存在していました。明治時代に入ると、1878年（明治5年）には山口県の管轄に移り、「岩国檻倉」と名称変更され、横山村（当時）へと移転しました。その後、岩国支署を経て、1890年（明治23年）には岩国監獄となりました。1900年（明治33年）には、旧制岩国中学校の校地拡張に伴い、現在地に移転したという記録が残されています。1907年（明治40年）以降は、幼年囚のみを収容する監獄（刑務所）となり、1908年（明治41年）4月には「山口監獄岩国分監」と改称されました。

現代の施設と刑務作業

現在の岩国刑務所の建物は、アイボリー色を基調とした落ち着いた外観をしています。刑務作業は大きく分けて3つの分野で行われています。

洋裁: 婦人服、子供服、パジャマ、ちりめん細工製品などを製造する2つの工場（延べ面積330㎡）を備え、オーバーロックミシン、本縫糸切ミシンなどの設備が整っています。
金属: 自動車部品（ハーネスなど）や電気部品の製造を行う2つの工場（延べ面積234㎡）があります。
* その他: ガラス製品（ワイングラス、花器など）、神具、紙製品の加工・組立を行う4つの工場（延べ面積473㎡）があり、サンドボックスや集塵機といった設備も導入されています。

これらの工場以外にも、所内ではフォークリフトや介護サービスに関する職業訓練が実施されており、訓練用のフォークリフト（1tと2t、計2台）も保有しています。刑務作業で生産された製品や原料の保管のための倉庫（70.3㎡）と展示棟（27㎡）も設置されています。

岩国刑務所では、矯正展を開催しており、そこで刑務作業製品を購入することもできます。これらの活動を通して、受刑者の更生支援と社会復帰へのサポートを行っていると言えるでしょう。

まとめ

長い歴史を持つ岩国刑務所は、現代においても更生支援に力を入れた施設として、その役割を果たしています。アクセスも良く、地域社会との連携も図りながら、受刑者の社会復帰に向けた取り組みを継続している点が注目されます。

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