岩国海軍航空隊

岩国海軍航空隊の概要

岩国海軍航空隊（いわくにかいぐんこうくうたい）は、日本海軍の一部として、昭和15年（1940年）に創設されました。この部隊は、海軍兵学校の生徒や選修学生に対して航空術の教育や陸上機操縦の訓練を行う役割を担い、特に航空技術の向上に寄与しました。開隊から数年後の昭和19年（1944年）には一時的に閉隊しましたが、昭和20年（1945年）3月1日に再び活動を開始しました。

歴史的経緯

岩国海軍航空隊の設立の背景には、昭和12年（1937年）の海軍軍備補充計画があります。この計画に基づき、航空戦力を強化するために14の部隊が新設されることが決定され、岩国航空隊もその一翼を担うこととなりました。昭和14年（1939年）には、呉鎮守府に所属していた練習隊が岩国に配置され、翌年の昭和15年7月に正式に開隊されました。

開隊当初は海軍練習航空隊に指定され、重点的に海軍兵学校の生徒や選修学生に対する教育が行われました。具体的には、乙飛、丙飛、乙飛（特）の飛行予科練習生の教育が主な業務であり、これにより航空技術の基礎が築かれました。しかし、昭和15年11月15日には陸上機操縦教程が削除され、その後の教育プログラムが変更されました。

昭和16年（1941年）からは飛行予科練習生教育が実施され、さらに翌年には偵察練習生の機練教程も担当するようになりました。このように、多様な教育を行う中で、昭和18年4月には「乙種飛行予科練（特）」が新設され、教育内容が拡充されました。さらに同年11月には海軍兵学校の岩国分校が併設され、教育体制が強化されました。

しかし、昭和19年8月15日には岩国海軍航空隊は解隊され、その活動は一時途絶えました。これに伴い、築城海軍航空隊の富高分遣隊が廃止され、その要員は岩国飛行場へと移転されました。これにより、昭和20年3月1日に岩国海軍航空隊は再び開隊され、新たな編成で教育および訓練が再開されました。

歴代司令官

岩国海軍航空隊の歴代司令官は次の通りです。

• - 杉本丑衛 大佐: 1939年12月1日 - 1940年6月21日
• - 高次貫一 中佐: 1940年6月21日 - 1941年8月11日
• - 美濃部貞功 大佐: 1941年8月11日 - 1945年3月
• - 岡村徳長 大佐: 1945年3月 - 終戦時

結論

このように、岩国海軍航空隊は日本海軍の中で重要な役割を果たし、航空技術を身につけるための教育機関として運営されてきました。その歴史は、時代を経て多くの変遷を遂げながらも、航空戦力を育成し続けた証と言えるでしょう。

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