岩崎弥之助

岩崎弥之助の生涯と功績

概要

岩崎弥之助（いわさきやのすけ）は、1851年2月8日生まれの日本の実業家であり、三菱財閥の2代目総帥として知られています。彼は、創業者で兄の岩崎弥太郎の影響を受け、企業の多角化と発展に大きな貢献をしました。1908年3月25日に亡くなりますが、彼の遺した業績は今も日本経済に影響を与えています。

生い立ち

弥之助は土佐国安芸郡の井ノ口村で、岩崎弥次郎と美和の三男として生まれました。実家は士族としての地位を失っていましたが、兄の成功により、1867年に武士の教育を受けるため藩校に入学。1869年には大阪に移り、重野安繹の私塾で英語を学び始めます。その後、1872年4月にはアメリカに留学しました。

留学と帰国

アメリカでは、ウォルシュ・ホール社に滞在し、エリントンにある学校で学ぶことになりますが、1873年に父親が急逝したため、留学を中断して帰国しました。帰国後は三菱商会に加わり、兄弥太郎の事業をサポートしました。1874年秋には、後藤象二郎の長女・早苗子と結婚しました。

三菱財閥の発展

弥之助は、兄の死後、2代目総帥として急速な多角化を推進し、競争相手との合併によって日本郵船を設立するなど、企業の発展に尽力しました。1885年に兄が亡くなってからは、彼のビジョンを引き継ぎ、鉱山開発、造船、金融などの新規事業に取り組みました。

1890年には、政府からの提案で丸の内の土地を購入し、これが後に『三菱の三大買い物』の一つとして記憶されています。また、1893年には三菱合資会社を設立し、自らは総帥の座を甥の久弥に譲ることになりました。

政治的活動

弥之助は、1889年には東京市会議員選挙に立候補しましたが落選しました。その後、1890年には貴族院議員に任命されましたが、わずか1年で辞職しています。彼の政治的活動は限定的でしたが、経済界での影響力は大きなものでした。

家族と子孫

弥之助と早苗子との結婚は、当時の家柄を重んじる流れの中で決定されました。夫婦は東京湾を見渡す高台に家を構え、長女・繁子、長男・小弥太、次男・俊弥、三男・輝弥の4人の子どもを育てました。長男小弥太は三菱の4代目総帥となり、次男俊弥は旭硝子の創業者、三男輝弥は子安農園を経営しました。

学問と趣味

弥之助は蔵書家、そして美術収集家としても知られ、重野安繹の下で古典籍の収集を行いました。彼が設立した「静嘉堂文庫」には多くの文化財が収蔵されており、現在は一般公開されています。古美術を愛し、彼の収集は長男小弥太に引き継がれ、静嘉堂文庫として今も多くの人々に親しまれています。

まとめ

岩崎弥之助は、自己の学問への探求と家族の繁栄に努力し続けた人物でした。三菱財閥の発展に寄与した彼の功績は、その死後も日本経済に影響を与え続けています。彼の人生は、実業家としての理想と家族の絆を感じさせる物語です。

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