岩崎長武

岩崎長武は、1839年に土佐藩の槍術指南役の次男として高知で生まれました。幕末の動乱期には土佐藩士として過ごし、明治維新を迎えます。維新後、岩崎は内務官僚として活躍し、1872年には浜松県権参事を務めました。

その後、同年12月には高知県権令に転任します。権令として、岩崎は立志社を中心とした民権運動に理解を示し、1875年の地方官会議では民会の公選制を主張しました。また、県庁には立志社系の人物を積極的に登用するなど、開明的で進歩的な政策を推進しました。しかし、その姿勢は保守派の反発を招き、1876年8月には権令を罷免されることになります。

権令罷免後、岩崎は民権運動家として活動を続けました。彼は、自由民権運動の理念を広め、国民の政治参加を訴えました。岩崎の活動は、明治政府の政策に影響を与え、日本の民主主義の発展に貢献しました。

岩崎長武は、1898年12月27日に60歳で亡くなりました。彼の妻の猶子は1909年8月27日に亡くなり、岩崎は青山霊園に眠っています。

岩崎長武は、土佐藩士、内務官僚、そして民権運動家として、激動の時代を生き抜いた人物です。彼の足跡は、日本の近代化の過程における重要な一側面を物語っています。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
『高知県人名事典 新版』高知新聞社、1999年。
大植四郎編『明治過去帳』新訂初版、東京美術、1971年（原著私家版1935年）。

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