岩床

岩床（がんしょう）とは

岩床（sill、sheet）とは、地層中にマグマが貫入・固結してできた板状の火成岩体であり、周囲の地層面とほぼ平行に貫入しているものを指します。シル、あるいはシートとも呼ばれます。

岩床の形成

岩床は、地下深部で発生したマグマが、既存の地層の層理面や節理などの弱い部分に沿って水平方向に貫入することで形成されます。マグマは周囲の岩石よりも密度が低いため、上方へ向かう力を受けますが、地層の割れ目など水平方向への抵抗が少ない箇所があると、そこを通って広がります。そして、マグマが冷えて固まることで、板状の岩体ができます。

岩脈との違い

岩床とよく比較されるものに岩脈があります。岩脈（ダイク）は、マグマが地層面を横切るように、垂直方向に貫入した火成岩体のことです。岩床が地層に「並行」に貫入するのに対し、岩脈は地層を「横切る」という点で区別されます。岩床と岩脈は、マグマの貫入方向によって異なる形状を成し、地質構造を解析する上で重要な手がかりとなります。

岩床の種類

岩床は、その規模や形状によってさらに細かく分類されることがあります。例えば、非常に大規模な岩床は、周囲の地層を広範囲にわたって持ち上げることがあります。また、複数の岩床が積み重なって、複雑な地質構造を形成することもあります。

岩床と火山の関係

岩床は、火山活動と密接な関係があります。マグマが地表に噴出する際の通路となる岩脈と同様に、岩床もマグマの供給経路の一部となることがあります。特に、大規模な火山活動においては、地下に広がる岩床がマグマ溜まりとして機能し、噴火のエネルギー源となることがあります。

関連地形

岩床は、周囲の岩石よりも硬い場合、風化・浸食に対して抵抗力を持つため、地形として残ることがあります。例えば、テーブル状の地形や、段丘状の地形などが、岩床によって形成されることがあります。

その他の関連用語

火山：マグマが地表に噴出する地形。
岩脈（ダイク）：地層を横切るように貫入した火成岩体。
バソリス (底盤)：広大な範囲にわたって存在する深成岩体。
ラコリス（餅盤）：マグマが地層を押し上げて、ドーム状になった火成岩体。
火成岩：マグマが冷えて固まった岩石。
半深成岩：深成岩と火山岩の中間的な性質を持つ岩石。

岩床は、地球の内部活動によって作られた興味深い地質構造の一つです。その形状や分布を調べることで、過去の火山活動や地殻変動の歴史を知ることができます。

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