岩手県交通矢巾営業所

岩手県交通矢巾営業所：盛岡南部と矢巾町を結ぶ交通の要所

岩手県紫波郡矢巾町に位置する岩手県交通矢巾営業所は、盛岡都市圏南部と矢巾町をカバーする主要なバス営業所です。一般路線バスの運行に加え、盛岡地区における貸切バスの運行管理、昼行高速バスの拠点としての役割も担っています。さらに、ヤマトオートワークス矢巾整備工場を併設しており、車両メンテナンスにも力を入れています。

発展の歴史：40年以上の地域密着

1981年5月、盛岡駅前営業所の機能を移転する形で矢巾営業所が開設されました。以来40年以上にわたり、地域住民の足として、重要な役割を担ってきました。

2012年には昼行高速バスの運行を都南営業所から移管し、事業規模を拡大。2019年には岩手医科大学附属病院の新築移転に伴いダイヤ改正を実施するなど、地域社会の変化に柔軟に対応しています。2021年7月からは、一部路線で環境に配慮した電気バス「Big Green」を導入し、『Iwate Green Pass』の利用も開始。2023年1月には雫石営業所閉鎖に伴い、路線の一部を移管し、さらに5月には『Iwate Green Pass』の利用を管内全路線に拡大するなど、利便性向上への取り組みを積極的に行っています。

多様な路線網：地域ニーズに対応

矢巾営業所は、多様な路線を運行しています。

昼行高速バスとしては、花巻空港線があります。花巻空港と盛岡駅東口を結ぶ重要な路線であり、航空便との接続を考慮したダイヤが組まれています。宮城交通など他社との共同運行路線もあり、車両は矢巾営業所が担当しますが、乗務員は盛岡地区の各営業所が持ち回りで担当する体制となっています。

一般路線バスは、盛岡市内と矢巾町内を結ぶ路線が中心です。イオンモール盛岡南線、羽場線、本宮線、飯岡線、川久保線、南インター経由川久保線、北高田線、ゆいとぴあ東線、矢巾医大線、飯岡駅・工業高校線、盛南ループなど、地域住民の生活を支える路線を多数運行しています。近年は、岩手医科大学附属病院へのアクセス強化のため、複数の路線で病院への乗り入れを開始しています。また、土日祝日の運休や減便を実施している路線も存在します。これらの路線は、利用状況や地域ニーズに合わせて、随時見直されています。

受託運行路線として、矢巾町市街地循環バス「やはばす」も運行しています。「やはばす」は、岩手県交通の地域連携ICカード「Iwate Green Pass」に加え、交通系ICカード全国相互利用サービスにも対応しています。

過去の路線：変遷を反映

過去には、盛岡・平泉線、盛岡・十和田湖号、みちのく号、ヨーデル号などの昼行高速バスや、飯岡線、津志田線、北高田線、矢巾温泉線、下飯岡線、湯沢・永井線、盛岡市立病院線、仙北町駅西口イオン線、盛岡駅向中野線、都南ゾーンバス（Aルート、Bルート、支線系統）、矢巾不動線、小岩井駅線などの一般路線バスが運行されていましたが、利用状況の変化や、他の交通手段との競合などを考慮し、廃止されています。これらの廃止路線は、地域交通の変遷を物語っています。

未来への展望：持続可能な交通システムを支える

矢巾営業所は、今後も地域住民の生活を支える重要な交通機関として、更なる利便性向上と、環境への配慮を両立させた持続可能な交通システムの構築を目指していくことでしょう。電気バスの導入やICカードの利用拡大などの取り組みは、その一端を示しています。今後の動向に注目が集まります。

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