岩手県立一戸高等学校

岩手県立一戸高等学校

岩手県立一戸高等学校は、岩手県二戸郡一戸町一戸字蒔前に所在した公立の高等学校です。長い歴史を持ち、地域の教育拠点として多くの人材を輩出してきましたが、2024年3月31日をもって閉校しました。

沿革

本校の起源は、1911年4月4日に開校した私立二戸実修学校に遡ります。わずか1ヶ月ほどで私立二戸実業学校と名称を変更。翌年には一戸町と浪打村、鳥海村による組合立実業学校（乙種中学校）として公立化されました。

その後、学校は女子教育へと軸足を移し、1918年4月1日には二戸郡女子実業学校となります。1921年4月1日には二戸郡立実科高等女学校（甲種中等学校）に改編。この年10月13日に行われた校舎新築落成式兼開校式の日が、後に開校記念日と定められました。

1923年4月1日には岩手県への移管により岩手県立一戸実科高等女学校となり、さらに1926年4月1日には岩手県立一戸高等女学校と改称され、女学校としての地位を確立します。

第二次世界大戦後の学制改革により、学校は大きな転換期を迎えます。1947年4月1日には新制中学校が併設され、翌1948年4月1日には男女共学の岩手県立一戸高等学校として新たなスタートを切りました。同時に定時制課程も設けられます。

戦後も学科の再編が続けられ、1949年4月1日には農業部が設置されます。1953年にはこれが農業科となり、新たに家庭科も加えられました。家庭科は1963年に家政科へと名称が変更されています。

定時制課程は時代の変化に伴い生徒数が減少し、1979年4月1日に募集を停止。1982年3月7日には閉校式が行われ、その歴史に幕を下ろしました。

平成に入ると、学科の改編がさらに進みます。1989年には家政科学科が設置される代わりに家政科の募集が停止。1993年には福祉科が設けられ、家政科学科は募集停止となりました。2000年には農業科の募集も停止されます。

そして2005年4月1日、時代の要請に応える形で総合学科が設置され、それまでの普通科と福祉科は募集が停止されました。2007年には普通科と福祉科が正式に閉科となり、総合学科単独の高校となりました。

創立から100年以上の歴史を刻んだ岩手県立一戸高等学校は、県立高校の再編計画に伴い、2024年3月31日をもって閉校。岩手県立福岡工業高等学校と統合される形でその役割を終えました。閉校後の校舎・敷地は、岩手県立北桜高等学校の総合校舎として活用されています。

設置学科

閉校時には総合学科が設置されていました。総合学科では、生徒の多様な進路希望に応えるため、以下の系列が設けられていました。

人文・自然系列
情報ビジネス系列
生活・文化系列
介護・福祉系列

過去には、普通科、定時制課程、農業科、家庭科、家政科、家政科学科、福祉科など、様々な学科や課程が存在していました。

所在地・アクセス

学校は岩手県二戸郡一戸町一戸字蒔前にありました。最寄り駅はIGRいわて銀河鉄道線の一戸駅です。一戸駅からは徒歩で約22分かかります。

バスを利用する場合、JRバス（二戸駅方面行き）または岩手県北バス（二戸駅、一戸営業所、来田温泉方面行き）に乗車し、約4分。「蒔前」バス停で下車すると学校はすぐ目の前でした。

関係者

本校からは各界で活躍する人材が輩出されました。著名な出身者としては、元慶應義塾大学野球部監督の大戸洋儀氏や、パラ陸上競技選手の大井利江氏などがいます。

関連項目

岩手県高等学校一覧
日本の総合学科設置高等学校一覧
高等女学校
旧制中等教育学校の一覧 (岩手県)

外部リンク

* かつて運営されていた公式サイトは、インターネットアーカイブにてその一部を閲覧することができます。（岩手県立一戸高等学校 - ウェイバックマシン）

岩手県立一戸高等学校は、その長い歴史の中で地域社会と共に歩み、多くの卒業生を送り出してきました。閉校という形でその名はなくなりましたが、跡地が新たな学校の拠点となるなど、地域における教育の営みは引き継がれています。

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