岩手県競馬組合

岩手県競馬組合の概要

岩手県競馬組合（いわてけんけいばくみあい）は、岩手県内の盛岡競馬場と水沢競馬場の二つの競馬場で地方競馬を主催する団体です。設立は1964年で、岩手県、盛岡市、奥州市の三つの自治体が組織しています。地方競馬の中で特に「岩手競馬」と呼ばれ、地域に根ざした競馬文化を育んでいます。

歴史と展開

岩手での近代競馬は1884年に始まり、戦後は県営や市営の競馬がありました。各地で経営難が発生する中、岩手競馬は1990年代に「中興の祖」と称される藤原正紀事務長のもとで急成長を遂げました。1996年には地方競馬として初めて芝コースを備えた新盛岡競馬場を開場し、「地方競馬の優等生」として注目を集めました。

現在も、一般投票ができる「オッズパーク」や「楽天競馬」、さらには「SPAT4」といったシステムが整備され、インターネットを通じて各地から競馬を楽しむことができる環境が整っています。

競馬開催のスケジュール

岩手県は豪雪地帯として知られ、その影響で競馬の開催時期には工夫が必要です。毎年4月から翌年1月上旬まで競馬が行われ、特に冬期には水沢競馬場が利用されます。雪の影響を受けるため、1月中旬から3月中旬にかけては休止期間となります。このため、開催日程は地域の気候条件を考慮して、前年の2月に発表されます。

経営の常態

岩手競馬は過去に経営難に直面したこともあります。2003年度末には105億円の累積赤字があり、2004年には資金繰りの危機に陥りました。しかし、地域の努力により存続が決まったものの、厳しい経営状況が続いています。競走馬の数も減少傾向にあり、有力な馬主が本業の不振の影響を受けることが多くなっています。

また、2011年の東日本大震災では施設が大きな被害を受けましたが、その後は復興支援の動きがあり、競馬は徐々に回復を見せています。

競馬場と関連施設

岩手県内には、盛岡競馬場と水沢競馬場の他にも、複数の場外馬券発売所があります。これらの場所では、競馬ファンが馬券を購入することができ、全国各地に場外馬券発売所が存在します。

ファンサービスと新しい試み

岩手競馬は、ファンサービスにも力を入れています。2005年から薄暮競走を開始し、2018年にはナイター競走にも対応する照明が設置され、今では通年での薄暮開催が可能になりました。更には、競馬開催日には各種イベントが行われ、地域の活性化にも寄与しています。

売上の課題

近年の競馬は、売上が低下していることが大きな課題です。競走馬の活躍が少ない中で、売上向上を目指す努力は続いています。地方競馬のプロモーションやイベントの開催など、多方面で競馬の魅力を広める取り組みが求められます。

結論

岩手県競馬組合は、地域に深く根ざした競馬文化を持つ重要な存在です。歴史や特性、地域における経済社会への貢献は計り知れず、今後も進化し続けることが期待されます。寒冷地での開催にもかかわらず、工夫を凝らし、地域のニーズに応じたサービスを提供し続ける岩手競馬の今後の展開に注目です。

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