岩本えり子

岩本えり子：桑田佳祐の姉、音楽と自然を愛した女性

岩本えり子（1952年8月18日 - 2008年10月19日）は、神奈川県茅ヶ崎市出身のミュージシャン、作詞家です。旧姓は桑田。彼女は、国民的バンド、サザンオールスターズのリーダーである桑田佳祐の実姉であり、彼の音楽活動を陰ながら支え、また、自身の才能も開花させました。

生涯

岩本えり子は、1975年に渡米し、モントレー大学で学びました。アメリカでは、通訳の仕事をする傍ら、結婚し、子育てに奮闘しました。1996年に帰国後は、茅ヶ崎の美しい景観を守るための活動「はまけい」の代表を務め、地域社会に貢献しました。

2008年、岩本えり子は膵臓癌のため56歳という若さで亡くなりました。闘病中、弟の桑田佳祐は国内外の名医を紹介するなど、全面的にサポートしました。彼女の死は、桑田佳祐のラジオ番組で追悼されるなど、多くの人々に惜しまれました。

桑田佳祐との関係

岩本えり子と桑田佳祐は、異母姉弟という関係でした。多忙な父親に代わり、えり子が子守唄代わりに歌謡曲やビートルズを歌って聞かせたことが、桑田佳祐の音楽的ルーツになったとも言われています。桑田佳祐は、姉について「親代わり」という報道を否定しつつも、彼女が自身に大きな影響を与えたことを認めています。高校時代には大食漢だったえり子が、毎朝パンを1斤食べていたというエピソードも残っています。

また、桑田佳祐は、姉が学生時代に「ジョン・レノンと結婚する」という夢を持ち、ジョン・レノンがオノ・ヨーコと結婚した際には、オノ・ヨーコの実家で抗議運動をしていたというエピソードを語っています。

音楽活動

岩本えり子は、サザンオールスターズの楽曲「黄昏のサマー・ホリデイ」「HOLD ON (It's Alright)」「LONELY WOMAN」の英語歌詞を補作するなど、音楽活動にも貢献しました。サザンの代表曲「いとしのエリー」のモデルとして語られることもありますが、桑田佳祐自身はこれを否定しています。

著書

2008年12月には、著書『エリー 茅ヶ崎の海が好き。』が講談社から出版されました。この本は、彼女の茅ヶ崎への愛、自然への想いが込められた作品です。

演じた人物

2017年の映画『茅ヶ崎物語 〜MY LITTLE HOMETOWN〜』では、須藤理彩が岩本えり子を演じました。

岩本えり子は、桑田佳祐の姉としてだけでなく、一人の音楽家、作詞家として、そして茅ヶ崎の自然を愛した女性として、その名を刻んでいます。彼女の人生は、多くの人々に勇気と感動を与え続けています。

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