岩本ナオ

岩本ナオは、1月10日生まれの日本の漫画家です。岡山県児島郡灘崎町（現在の岡山市南区）出身で、血液型はO型です。

来歴

幼少期に赤石路代の作品に触れ、そのヨーロッパ描写に強い影響を受けました。また、『王家の紋章』にも夢中になり、特に両作品のコスチュームに惹かれたといいます。漫画の影響から、中学・高校時代には西洋史に興味を持ち、大学では古代ギリシャ・ローマを専攻しました。卒業論文のテーマは「古代ギリシャ彫刻」でした。

2004年、『その彼女の存在』で第10回月刊フラワーズコミックオーディション金の花賞を受賞し、『月刊フラワーズ』（小学館）2004年5月号に掲載されデビューを果たしました。その後、『月刊フラワーズ』や『凛花』（小学館）で作品を発表し、2007年からは『月刊フラワーズ』で『町でうわさの天狗の子』を連載開始。同作は第55回（平成21年度）小学館漫画賞少女向け部門を受賞しました。2016年には『金の国 水の国』で「このマンガがすごい!2017」オンナ編1位を受賞、さらに『マロニエ王国の七人の騎士』で「このマンガがすごい！2018」オンナ編1位を受賞し、同賞で2年連続1位を受賞するという初の快挙を達成しました。2021年10月2日から12月13日まで、岡山県の吉備川上ふれあい漫画美術館で初の個展を開催しました。

作風

『町でうわさの天狗の子』連載中の2012年12月、ファンタジー読み切り短編『赤い果実と花飾り』を発表するまでは、「自分が育った土地を舞台にした作品しか描けない」「自分の知らない土地を長期間舞台にするのは緊張する」と公言しており、田舎を舞台にした作品が多く見られました。『Yesterday, Yes a day』に登場する家屋は、作者の実家をモデルにしています。

しかし、1年間の休養後、2014年12月からは海外風の過去世界を舞台にしたファンタジー作品を連載で発表し、「元々このような作品を描きたかった」と語り、それまでの作品については自信がなかったと明かしています。

作画には、以下の道具を使用しています。（『季刊エス』インタビューより）

モノクロ
原稿用紙：IC135g
ペン先：ゼブラ丸ペンの固いタイプ。2021年10月からは大きい顔の作画用にゼブラ日本字ペン先を使用
スクリーントーン：デリータ
インク：人物はデリータの六番、背景はPILOT製図用
カラー
主線：デリータの三番、ペン先はモノクロと同じ
着彩：ウィンザー&ニュートン（Winsor & Newton）

作品リスト

スケルトン イン ザ クローゼット（全1巻、『月刊フラワーズ』）
その彼女の存在
花の名前
冬色自転車
僕の一番好きな歌
青という言葉のない国から
雪みたいに降り積もる
Yesterday, Yes a day（全1巻、『月刊フラワーズ』）
町でうわさの天狗の子（全12巻、『月刊フラワーズ』）
手をとって、そのままで
赤い果実と花飾り （『増刊flowers』 2012年12月号掲載）
ジャイキリ読んで○○してきました（全1巻）
雨無村役場産業課兼観光係（全3巻、『凛花』）
6日しかない一週間（読切、『モーニング』2015年43号掲載）
金の国 水の国（全1巻、『月刊フラワーズ』）
マロニエ王国の七人の騎士（既刊9巻、『月刊フラワーズ』連載中）
海が見える大井町〜岩本ナオ作品集〜（全1巻）
海が見える大井町（「漫画『もしも東京』展」で公開、『月刊フラワーズ』2022年8月号にも掲載）
赤い果実と花飾り （『増刊flowers』 2012年12月号掲載）
夏の桜（『凛花』10号〈2010年〉掲載）
100年生きた猫（月刊ねこだのみ2号〈2016年〉掲載）
6日しかない一週間（読切、『モーニング』2015年43号掲載）

出演

* 浦沢直樹の漫勉 neo（2020年10月8日、NHK Eテレ） - 『マロニエ王国の七人の騎士』の製作過程を収録した画像を見ながら浦沢直樹と対談しました。


岩本ナオは、その独特な世界観と繊細な作画で、多くの読者を魅了し続けている漫画家です。

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