岩村通俊

岩村通俊の生涯

岩村通俊（いわむら みちとし）は、1840年7月8日に土佐藩の陪臣である岩村英俊の長男として生まれました。彼は若い頃から学問や武道に精を出し、酒井南嶺に学び、岡田以蔵に剣術を学びました。明治2年（1869年）に政府に仕官し、さまざまな司法職を経て開拓判官としての道を歩み始めます。

開拓官僚としての業績

彼は明治4年（1871年）、開拓判官として札幌の開発に取り組み、区画微分の手法を用いて街の整備を行いました。その中で、火災が多発していた札幌での草小屋撤去に取り組み、非常手段として放火を利用したことで「御用火事」と名づけられた事件がありました。この处理により、消防隊が設置され、札幌の火災は大幅に減少したとされています。さらに、彼は開拓大判官として、移住者や土工のための遊郭「薄野遊郭」を設立するなど、北海道の発展に寄与しました。

各地の県令を歴任

明治6年（1874年）に佐賀県権令に任命され、そこでの治績が認められ、中央に召還されました。明治9年（1876年）には山口地方裁判所長を経て、明治10年（1877年）には鹿児島県令として赴任し、西南戦争の際には敵将西郷隆盛の遺体を丁重に葬るなどの実績を残しました。その後、元老院議官や沖縄県令を歴任し続けました。

北海道庁の設置

明治19年（1886年）、通俊は北海道庁の設置に尽力し、初代長官に任命されました。彼は北海道開拓の重要性を政府に訴え、旭川市に新たな都市構想を描くなど、開発に尽力しました。長官職を経て明治21年（1888年）には元老院議官に就任し、さらなる政治的地位を築いていきます。

大臣としての活動

明治22年（1889年）には農商務大臣に就任し、政府内で重要な役割を果たしました。退任後は宮中顧問官や貴族院議員としても活躍し、明治29年（1896年）には男爵に叙爵され、華族の一員となりました。その後、交通や国際事業にも関与し、明治33年（1900年）には京釜鉄道会社の常務理事となるなど精力的に活動しています。

晩年と評価

大正4年（1915年）2月20日、通俊は76歳で逝去しました。以降、彼の功績を称えるために旭川市や札幌市などに銅像が建立され、高知県宿毛市には記念碑も設置されています。彼の足跡は今も残り、北海道開拓における重要な人物として広く知られています。通俊の家系も歴史的に重要で、息子たちは各分野で活躍し、特に長男の八作は北海道開拓に尽力しました。彼の遺した業績は今日の北海道にも息づいています。

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