京釜鉄道

京釜鉄道株式会社について

京釜鉄道株式会社は、明治時代の日本統治下の朝鮮半島において、京城（現在のソウル）と釜山を結ぶ鉄道路線を運営していた鉄道会社です。1901年（明治34年）に、日本の実業家である渋沢栄一らが中心となり設立されました。

設立の背景

19世紀後半、朝鮮政府は財政難に陥っており、多くの利権を外国に売却していました。その中で、京仁鉄道の敷設権はアメリカ人の事業家モーリスが取得しましたが、建設途中で資金難となり、渋沢栄一らの京仁鉄道合資会社に売却されました。

京仁鉄道合資会社は工事を引き継ぎ、1900年（明治33年）7月に京城（現ソウル）と仁川間を全線開通させました。これが朝鮮半島初の鉄道となります。

その後、1903年（明治36年）11月に京釜鉄道株式会社が京仁鉄道合資会社を合併し、京仁線として運行を開始しました。

京釜鉄道の開通

1901年（明治34年）6月に京釜鉄道株式会社が設立されると、同年8月には京城と釜山間で工事が開始されました。1905年（明治38年）1月には京城から草梁間が開通し、1908年（明治41年）には草梁から釜山間が開通、これにより京城と釜山を結ぶ全線が開通しました。

沿革

1894年8月：朝鮮政府と日本が京仁鉄道特許敷設に関する暫定合同條款を締結。
1896年1月：朝鮮政府が財政難のため、アメリカ人事業家モーリスに鉄道敷設権を売却。
1897年4月：渋沢栄一らが京仁鉄道引受組合を組織。
1897年5月：モーリスから敷設権を譲り受け。
1898年6月：京釜鉄道株式会社創立発起人を募集。
1899年3月：モーリスと日本政府間で敷設権譲渡契約が完了。
1899年5月：京仁鉄道引受組合が京仁鉄道合資会社となる。
1899年9月：京仁鉄道の仁川～永登浦間が開通。
1900年7月：京仁鉄道が全線開通。
1901年6月：京釜鉄道株式会社が設立。
1901年8月：京釜鉄道の工事着工。
1903年11月：京釜鉄道が京仁鉄道合資会社を合併。
1906年7月：鉄道国有化により、統監府鉄道管理局の所管となる。

国有化とその後

多くの鉄道と同様に、京釜鉄道も鉄道国有化法により国有化され、統監府鉄道管理局の所管となりました。その後、統監府鉄道庁、韓国鉄道管理局、日韓併合を経て朝鮮総督府鉄道局の運営となりました。

現在は、大韓民国の韓国鉄道公社（KORAIL）京釜線としてその路線が継承されています。

まとめ

京釜鉄道は、朝鮮半島における鉄道の発展に大きく貢献した会社であり、その歴史は現在の大韓民国の鉄道網へと繋がっています。設立から国有化、そして現在に至るまでの過程は、朝鮮半島における近代化の歴史を語る上で重要な要素の一つと言えるでしょう。

脚注

京釜線

関連項目

京釜線

外部リンク

日本土木建設業の近代化と「朝鮮人」労働者の移入 - 京釜鉄道建設における日本の土木建設業の役割について

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