岩津橋 (徳島県)

岩津橋（いわづばし）

岩津橋は、徳島県道139号船戸切幡上板線に位置する斜張橋で、吉野川に架かっています。この橋は、徳島県吉野川市山川町一里塚と阿波市阿波町乙岩津の間を結ぶ重要な道路橋として多くの交通を支えています。

橋の歴史

岩津橋の歴史は1887年（明治20年）に遡ります。当初は舟橋として架けられましたが、自然災害による洪水の影響で流失してしまいました。その後、1958年（昭和33年）には自歩道橋として吊り橋が完成し、ようやく人々の移動手段が復活しました。

1971年（昭和46年）には、自動車が通行できる幅3.5メートルの吊橋が新たに完成し、交通の利便性が向上しました。しかし、現在の岩津橋が完成したのは1993年（平成5年）であり、それ以降、現役の橋として今日まで利用されています。

橋の概要

岩津橋の全長は175メートルで、有効幅員は10.25メートルです。斜めに張られたケーブルが特徴的で、力強い造形美を誇ります。この橋は、交通のみならず、多くの人々の目を楽しませる景観としても評価されています。

周辺名所

岩津橋の周辺には、様々な文化的な施設や観光スポットがあります。特に注目すべきは「鯰の歌碑」と呼ばれる名所で、橋のたもとに位置しています。この歌碑は、花崗岩で作られた岩雲花香の歌碑で、1862年（文久2年）に建立されました。この碑には神代文字が刻まれており、全国でも非常に珍しい存在とされています。阿波町の教育委員会による説明文には「全国唯一」との記載があり、その貴重さが伝わってきます。

また、南詰には厳島神社も鎮座しており、地域の信仰の拠所となっています。特に祭礼の時期には、多くの参拝者で賑わいを見せます。さらに、国道192号や徳島県道12号鳴門池田線とも接続しており、地域の交通網を支える重要な役割を果たしています。

参考文献

岩津橋に関する詳細な情報は、『とくしま橋ものがたり』（徳島の橋を語る会、徳島県建設技術センター、2017年）を基にしています。

このように、岩津橋は単なる交通手段に留まらず、地域の歴史や文化、そして自然と深く結びついている名橋です。訪れる人々にとって、過去と現在を感じられる貴重な場所であると言えるでしょう。

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