岩田弘三

岩田弘三：日本の食文化を革新した実業家

岩田弘三（いわた こうぞう、1940年9月14日 - ）は、日本の実業家であり、高級惣菜販売店RF1などを運営する株式会社ロック・フィールドの創業者です。兵庫県神戸市出身。彼は日本に「中食」と「デパ地下」という新たな食文化を根付かせた人物として広く知られています。

生い立ちと初期のキャリア

1940年、岩田弘三は兵庫県神戸市に生まれました。1956年に兵庫県立東神戸高等学校を中退後、彼は料理の世界へ足を踏み入れ、日本料理店で修業を積みました。この時期の経験が、彼の食に対する深い理解と情熱を育んだと言えるでしょう。

フランス料理店からデリカテッセンへ

1965年、岩田は神戸市生田区（現在の中央区）にフランス料理店「レストランフック」を開業しました。しかし、彼の視野はそこで止まることはありませんでした。1970年、視察で訪れた欧米で、彼はデリカテッセンという食のスタイルに出会い、大きな衝撃を受けます。この出会いが、後のロック・フィールド設立へと繋がる重要な転機となりました。

ロック・フィールドの設立と成長

1972年、岩田弘三は株式会社ロック・フィールドを設立しました。社名は彼の姓「岩田」に由来します。ロック・フィールドは、高品質な惣菜を提供することで、日本の食卓に新たな価値を創造し、「中食」というライフスタイルを定着させました。特にデパートの地下食品売り場、いわゆる「デパ地下」における展開は、多くの人々に支持され、今日のデパ地下文化を牽引する存在となりました。

環境への配慮

1988年、ロック・フィールドの旧神戸工場で、排水基準を超える汚水が流出するという事故が発生しました。この出来事を深く反省した岩田は、環境への配慮を経営の重要な柱として位置づけました。その反省は、1991年に開設された静岡ファクトリーや、2004年に開設された神戸ヘッドオフィス・神戸ファクトリーに活かされ、環境に調和した工場づくりへと結実しました。これらの工場は、環境負荷を低減するための様々な工夫が凝らされており、企業の社会的責任を果たす姿勢が示されています。

社会的貢献

岩田弘三は、経済界においても重要な役割を果たしてきました。2001年4月1日には神戸経済同友会の代表幹事に就任し、2003年3月31日までその任を務めました。その後は顧問として同友会を支え、地域経済の発展に貢献しました。また、2004年には神戸商工会議所の副会頭に就任し、地元企業の振興に尽力しました。

現在の役職

2014年7月、岩田弘三はロック・フィールドの会長兼最高経営責任者（CEO）に就任しました。さらに、2016年5月からは社長も兼務し、現在も経営の第一線で活躍しています。彼のリーダーシップのもと、ロック・フィールドは更なる成長を目指し、食文化の革新に挑戦し続けています。

岩田弘三は、単なる企業経営者としてだけでなく、日本の食文化に大きな影響を与えた人物として、その功績は長く語り継がれることでしょう。

もう一度検索