岩田正巳

岩田 正巳（いわた まさみ）

岩田正巳は1893年8月11日に新潟県三条市で生まれ、日本を代表する日本画家として活躍しました。彼は東京美術学校で日本画を学び、1918年に卒業後、同校の日本画研究科に進学し、松岡映丘の指導を受けました。

新興大和絵運動と初の入選

1921年には新興大和絵会を結成し、新興大和絵運動に参加します。この動きは当時の日本画の発展に影響を及ぼしました。1924年には彼の代表作の一つである「手向の花」が第5回帝展に初めて入選し、その後も彼の作品が評価されていくことになります。

傑作と受賞歴

1930年には「高野創世」が第11回帝展で特選となり、さらに1937年には国画院に参加します。その後、新文展にも複数回出品し、彼の名は次第に広まっていきました。1939年には川崎小虎と共に日本画院を設立し、日本画界での影響力をより一層強めます。1952年には第8回日展運営会の参事を務め、1958年には評議員として運営にも深く関与しました。

日本芸術院賞と勲章

1961年には「石仏」の作品によって日本芸術院賞を受賞。1971年には勲四等旭日小綬章を受け、数年後の1977年には日本芸術院の会員に選ばれました。さらに1978年には日展の顧問に就任し、1979年には勲三等瑞宝章を授与されるなど、彼の業績は多くの形で評価されています。1984年には三条市の名誉市民にも選ばれました。

画風と作品

岩田正巳は歴史画を得意としており、その技術は多岐にわたっています。挿画も手がけ、自身の個性を発揮した作品群は、今でも多くの人に愛されています。また、彼の画集も出版されており、特に『花鳥春秋 岩田正巳オリジナル石版画集』（1979年）や『岩田正巳画集』（1983年）は、彼の芸術作品を広める重要な資料として評価されています。

最期と影響

1988年3月9日、岩田正巳はその生涯を終えましたが、彼の残した作品や功績は、日本画界において今も強い影響を与え続けています。彼の人生と芸術は、日本画の発展に寄与した重要な一章として語り継がれることでしょう。

もう一度検索