岩田衛 (内務官僚)

岩田衛は、1879年（明治12年）7月2日に熊本県で生まれ、1942年（昭和17年）6月9日に生涯を閉じました。彼は日本の内務官僚として、そのキャリアを通じて地方行政に大きく貢献しました。また、官選の県知事や長岡市長を務めた人物としても知られています。

岩田衛は、岩田春耕の長男としてこの世に生を受けました。第五高等学校を卒業後、1905年には東京帝国大学法科大学法律学科（独法）を卒業。内務省に入省し、静岡県属として官僚としてのキャリアをスタートさせました。1906年11月には、文官高等試験行政科試験に合格し、その能力を証明しました。

その後、岩田衛は茨城県事務官、岩手県事務官・警察部長、愛知県警察部長、奈良県内務部長、東京府内務部長といった要職を歴任しました。これらの職務を通じて、彼は地方行政に関する幅広い経験と知識を培いました。

1920年9月、岩田衛は鳥取県知事に就任しました。知事として、災害からの復旧、結核予防、衛生思想の普及に尽力し、県民の生活向上に貢献しました。1922年10月には福島県知事に転任しましたが、1923年10月に休職し、1924年4月29日に官界を退きました。

官界を退いた後、1927年1月から1929年10月までの間、岩田衛は長岡市長を務めました。市長としての彼は、その行政手腕を活かし、長岡市の発展に寄与しました。

岩田衛は、官僚としての活動と並行して、著作活動も行っており、1916年には『民政史鑑』を冨山房から出版しています。この著作は、当時の地方行政に関する貴重な資料として、現在でも参照されています。

岩田衛の生涯は、日本の近代化の過程において、地方行政に携わった官僚の姿を象徴するものです。彼の業績は、日本の地方行政史において重要な位置を占めています。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年～平成23年 1 (政治・経済・社会篇)』日外アソシエーツ株式会社、2012年。

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