岩谷俊夫

岩谷俊夫について

岩谷俊夫（いわたに としお）は、1925年10月24日に兵庫県神戸市で生まれ、1970年3月1日に亡くなった、日本のサッカー選手兼指導者、そして新聞記者です。彼は長いキャリアの中で数々の業績を残し、特にサッカー界への貢献が評価されています。

サッカー選手としての経歴

彼は御影師範学校附属小学校でサッカーを始め、その後、兵庫県立第一神戸中学校（現在の兵庫県立神戸高等学校）に進学します。中学校時代、ア式蹴球部のエースとして明治神宮競技大会での優勝を経験し、1942年には主将として橿原神宮大会でも優勝を果たしました。1943年には早稲田大学に進学し、同大学のア式蹴球部でも活躍します。

1945年には兵役に就きますが、病気のため短期間で除隊されました。戦後は早稲田大学に戻り、1946年と1947年には関東大学サッカーリーグ戦及び東西大学1位対抗で連続優勝に貢献しました。この経験が後の彼の指導者としての活動にも大きな影響を与えました。

大学卒業後の1948年には三共に入社しましたが、半年後に退社し、共同通信社や毎日新聞社で運動部記者としてのキャリアを築きました。この間に、1951年には川本泰三と共に大阪サッカークラブを設立し、同年の天皇杯全日本サッカー選手権大会で準優勝を飾りました。

彼は日本代表選手としても活躍し、1951年にデビューを果たしました。その後、1954年のワールドカップ予選やメルボルンオリンピック予選にも出場し、国際Aマッチでは8試合で4得点を記録するなど、日本サッカー界の一翼を担いました。

指導者としての歩み

引退後、岩谷は指導者の道へ進みます。1960年には日本ユース代表の監督に就任し、その後も神戸少年サッカースクールや大阪スポーツマンクラブで後進を育成しました。また、毎日新聞にて「サッカー教室」という連載を持ち、1967年にはその内容をまとめた『サッカーの教え方、学び方』を発表しました。

1968年には東京本社に転勤し、1970年には浦和市立南高等学校にアドバイザーとして関わり、高校サッカー史上初の三冠達成をサポートしました。このように、彼の指導活動は常に一線で行われ、多くの選手たちに影響を与えました。

彼の遺産

1970年、彼は高校サッカー選手権大会の優勝を見届けた後、脳腫瘍のためにこの世を去りましたが、彼の功績は後に評価され、2006年には日本サッカー殿堂に選出されました。彼の努力と情熱は、サッカー界における指導の礎を築き、多くの選手や次世代指導者にその精神が受け継がれています。岩谷俊夫は、サッカーの伝道師としても忘れがたい存在となっています。

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