岩野橋

岩野橋（いわのばし）

岩野橋は、長野県長野市松代町岩野と篠ノ井横田を結び、千曲川に架かる長野県道387号清野篠ノ井停車場線の一部を担う橋梁です。その全長は497メートルに及びます。

概要

現在の岩野橋は、長野県において初めてディビダーク式有ヒンジラーメン箱桁橋として建設されました。設計段階では、この形式特有の課題である支間中央部の沈下に対する検討が重点的に行われました。

橋の形式はPC（プレストレストコンクリート）有ヒンジラーメン箱桁橋であり、2等橋として分類されます。

橋長: 497.000 m
支間割: (47.000 m + 33.500 m) + 5×(2×33.500 m) + (33.500 m + 47.000 m)
幅員:
総幅員: 8.200 m
有効幅員: 7.500 m
車道: 6.000 m
歩道: 両側0.750 m
架設工法: ディビダーク工法（張出し架設工法）

歴史

岩野橋の架かる場所の付近には、かつて雨宮の渡しという渡し船場がありました。この渡しは、第四次川中島の戦いにおいて、上杉軍が妻女山を下り、霧に紛れて千曲川を渡り、武田軍を奇襲した逸話で知られています。

その後、1906年（明治39年）10月には橋長145 m、幅員2.4 mの板橋が架けられ、1910年（明治43年）10月には橋長145 m、幅員2.7 mの木造方杖橋に改築されました。さらに、1936年（昭和11年）10月11日には橋長927 m、幅員4.5 mの木橋に架け替えられました。

時代が進むにつれて、千曲川の低水敷にのみ架かる橋長140 m、幅員3.2 mの木橋となりました。この橋は潜水橋であり、主桁が鉄線で連結され、洪水時には橋梁が中央で分離して両岸に係留される構造でした。木床版は洪水前に水防団によって撤去されていましたが、その作業は非常に危険であったため、1965年（昭和40年）頃から行われなくなりました。

このような背景から、永久橋への架け替えを求める動きが活発になり、1966年（昭和41年）に工事が開始され、1971年（昭和46年）に竣工、1972年（昭和47年）1月27日に開通しました。

岩野橋は、地域の交通を支える重要な役割を担うとともに、その歴史を通じて千曲川と共に歩んできた橋梁です。

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