岩間乙二

岩間乙二（いわまおつに）は、宝暦6年（1756年）に生まれ、文政6年7月9日（1823年 8月14日）に没した江戸時代後期の俳人です。本姓は亘理（わたり）、名は清雄（きよお）、号は松窓（しょうそう）と称しました。

生涯

陸奥国白石（現在の宮城県白石市）の千手院の住職である岩間麦蘿（いわまばく）の子として生まれました。若くして千手院の第十代住職となり、父から俳諧の手ほどきを受けました。その後、江戸に出て夏目成美（なつめなるみ）や鈴木道彦（すずきみちひこ）、建部巣兆（たけべすごちょう）らと親交を深め、彼らと共に「奥羽の四雄」と称されるようになりました。

文化7年（1810年）から文化10年（1813年）にかけて、そして文政元年（1818年）から文政3年（1820年）にかけては、蝦夷地の箱館（現在の函館市）へ移り住み、斧の柄社（よきのえしゃ）を結成して、当地の俳壇を指導しました。後に、生まれ故郷である陸奥を含む東北地方を中心に遊歴しました。

乙二の作風は、故郷への想いと、松尾芭蕉や与謝蕪村といった先達の俳人たちへの尊敬の念が込められており、重厚でありながらも温和な趣があったと評されています。その作品は、今日でも多くの人々に愛され、歌集として読み継がれています。

主な著作物

句集
『松窓乙二発句集』
『乙二七分集（七部集）』 - 没後に編纂、刊行
『はたけ（畑）芹』 - 『奥羽の四雄』との共著
著書
『箱館紀行』 - 文化7年（1810年）刊行
* 『斧の柄』 - 文化8年（1811年）刊行

岩間乙二は、激動の時代を生きた俳人として、その作品を通して故郷への深い愛情と、俳諧への真摯な姿勢を後世に伝え続けています。

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