岸本才三

岸本才三の生涯と影響

岸本才三（きしもと さいぞう）は、1928年5月15日生まれ、2014年1月17日に85歳で亡くなった日本の重要な人物の一人です。特に元海軍航空隊員、元公務員および元ヤクザとして知られ、指定暴力団・山口組の最高顧問及び岸本組の組長としての活動が注目されています。出身は兵庫県神戸市であり、農家の息子として育ちました。

岸本は、若い頃から海軍航空隊を志願しましたが、運命のいたずらで出撃の前に終戦を迎え、復員後は神戸市交通局に入庁し、1961年まで公務員として勤務しました。彼の人生の転機は、1955年頃に三代目山口組に加わったことでした。中山組の舎弟としてスタートし、後に組の重要なポジションに就くこととなります。

1973年12月、岸本は山口組の組長である田岡一雄から盃を受け、新たな階層へと上がります。組長秘書としての役割を果たしながら、パワーバランスが変化する中で、組の重要な決定に関与するようになりました。特に1982年に発生した山口組の若頭山本健一の死は、組の後継者争いを引き起こし、岸本とその支持者たちは竹中組の竹中正久を次の四代目として推すグループに属しました。

1984年には、山口組の動向に大きな影響を与える出来事が続き、岸本は再び重要な役割を果たしました。竹中正久が四代目組長に就任する際には、岸本は筆頭若頭補佐兼本部長に昇進し、組の方針に深く関与することとなりました。特に、山一抗争の勃発後は、その影響力はさらに増し、重要な決定を下す立場にありました。

1988年には五代目跡目問題が浮上し、岸本は竹中武の山口組への留置を巡って他の組の幹部たちと協議を行いました。しかし、一部のメンバーからの反発も受け、最終的には竹中武を留まらせることに失敗します。同年、岸本は山口組最高顧問に任命され、実力のある相談役として認識されるようになりました。

また、岸本は1997年の宅見若頭射殺事件にも関与しており、重要な役割を果たしましたが、行動が公表されることはなかったため、彼の真意や意図は不明のままです。彼は司忍六代目の下で総本部長を退任し、最高顧問としてのポジションに留まり続けました。

2007年、岸本の引退が正式に発表され、その後の動向は比較的静かになりましたが、彼の影響力は強く残り、ヤクザ界における彼の地位や功績が今後も語り継がれていくことでしょう。最終的に2014年に死去し、詳しい死因は不明ですが、病死と見られています。岸本才三の人生は、戦後の日本における暴力団の変遷やその影響を象徴する存在でした。

もう一度検索