岸本茂雄

岸本 茂雄の生涯と活動

岸本茂雄（きしもと しげお）は、1904年11月7日に兵庫県で生まれた労働運動家であり、日本共産党中央委員として、昭和の時代における労働運動の発展に寄与しました。彼の人生は、激動の時代の中での労働者の権利と平等を求める闘争の象徴でもあります。

幼少期と早年

岸本は高等小学校を卒業後の1922年に、総同盟神戸連合会に加入し、労働運動に目覚めました。この時期に彼は、労働者の権利についての意識を高め、さらなる活動を志すようになります。1925年には日本共産党からの派遣を受け、東洋勤労者共産主義大学（通称：クートベ）で特訓を受けました。

政治活動の開始

留学から帰国した岸本は、1926年に日本共産党に入党し、京浜地区委員として活動を開始します。同年、関東金属労働組合に加入し、オルグとして労働者の権利を訴える活動に従事しました。彼の情熱と誠意は、多くの労働者に希望をもたらしました。

三・一五事件と投獄

1928年、岸本は三・一五事件に関与したとして逮捕され、懲役8年の刑を言い渡されます。彼はこの間、辛い状況下でも信念を貫き、戦後の労働運動における重要な指導者となるために必要な経験を積むこととなりました。1938年の出獄後、彼は再び活動を始めました。

戦後の活動

1940年には党の再建運動に取り組むも再び検挙されましたが、第二次世界大戦後の1945年、他の指導者たちと共に共産党兵庫県委員会を再建しました。彼は1946年の第5回党大会において中央委員候補に選出され、その後1947年には中央委員となります。

国際派としての立場

1950年には、第18回拡大中央委員会でコミンフォルム批判に関する意見を表明し、国際派の立場を強調しました。彼の姿勢は、党内外での議論を湧き起こし、彼の洞察力とリーダーシップが改めて評価されることとなりました。

公職追放と死

同年6月、GHQによって当時の日本共産党中央委員24人全員に公職追放令が発令され、岸本もこの影響を受けました。その後、彼は1945年に45歳という若さでこの世を去ることとなりました。

まとめ

岸本茂雄はその生涯を通じて、労働者の権利を守るために戦った記念碑的な人物です。彼の活動は、後の世代においても多くの影響を与え続け、現在の日本の労働運動の基礎を築いたと言えます。彼の姿勢や信念は、今なお多くの人々に尊敬され続けているのです。

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