岸波 (駆逐艦)

岸波（きしなみ）

岸波は、日本海軍の夕雲型駆逐艦の中で15番目に建造された艦です。この艦は、1943年12月3日に浦賀船渠で竣工し、日本の海上戦力の一翼を担いました。竣工直後は、第十一水雷戦隊に配属され、訓練および護衛任務に従事しました。

早期の艦歴

1944年2月10日、岸波は第二水雷戦隊の第31駆逐隊に組み込まれ、その任務は多岐にわたりました。主に船団護衛や、物資輸送の任務を遂行し、特に重要な作戦としてマリアナ沖海戦に参加しました。1944年6月中旬には、強化された米軍の攻撃に対する防御にあたるべく、機動部隊の前衛として出動しました。

7月にはリンガ泊地に到着し、その後、再び戦線に戻ることが求められました。特に10月の捷一号作戦ではレイテ沖海戦に参加し、この戦闘においては艦隊旗艦となった「愛宕」の生存者を救助する重要な役割を果たしました。栗田健男中将が「岸波」に滞在していたことも特筆すべき点です。

沈没とその運命

しかし、1944年12月4日、岸波は南シナ海において、米潜水艦「フラッシャー」の攻撃を受け、最終的に沈没しました。この攻撃により、艦長である三舩俊郎中佐を含む約90名が戦死しました。生存者は150名に留まり、その日の出来事は艦隊全体に多大な影響を与えました。

艦の建造と配属

岸波は、1942年度の計画に基づき、浦賀船渠で建造されました。名称は1943年5月25日に付与され、同年12月3日に竣工を迎えました。艤装員には三舩中佐が任命され、彼は艦長として竣工後も艦の指揮を執りました。艦に所属した初期の幹部は、航海長の藤川大尉、砲術長の宮嵜大尉、水雷長の曾出大尉、機関長の城野大尉でした。

彼女は、訓練部隊に組み込まれた姉妹艦たちと共に艦隊の中心的存在となり、様々な作戦を通じてその存在感を示しました。

戦争の最前線で

岸波は、苦しい戦況の中での数々の任務に従事しました。特に記憶に残るのは、数度にわたる輸送任務や米軍との直接遭遇があったことです。たとえば、艦はマリアナ沖海戦やレイテ沖海戦といった重要な局面で重責を担い、命令に従って行動しました。これらの作戦は、艦の運命に大きな影響を与えました。

終焉

1945年1月、岸波は帝国駆逐艦籍から除籍され、これは第31駆逐隊の解隊を意味するものでした。この艦の存在は、日本海軍の歴史において重要な役割を果たしたことを物語っています。岸波という艦の名は、艦に携わった乗組員たち、またその後の人々に、戦争の歴史の一部として記憶され続けました。

まとめ

岸波は、その艦生涯において、数多くの戦闘や輸送任務を通じて多大な貢献をしました。その壮絶な運命は、戦時中の多くの艦船と同様、忘れ去られることなく語り継がれるべき重要なストーリーであると言えるでしょう。

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