岸派

岸派は、江戸時代後期から明治時代にかけて活躍した日本画家、岸駒を派祖とする一派です。京都画壇において一大勢力を築き、多くの才能ある画家たちを輩出しました。

初代 岸駒

初代の岸駒は、様々な流派の技法を折衷し、独自の表現力豊かな写生画で名を馳せました。その画風は、従来の日本画の枠にとらわれない革新的なものであり、多くの人々に影響を与えました。

二代目 岸岱

岸駒の実子である岸岱は、二代目として岸派の絵画をさらに発展させました。彼は父の画風を受け継ぎつつも、独自の表現を追求し、岸派の芸術性を高めました。岸岱には、岸慶、岸礼、岸誠という実子がおり、彼らもまた画家として活躍しました。

三代目 岸連山

岸岱の弟子であった岸連山は、後に岸駒の養子となり、三代目を継承しました。彼は京都の伝統的な画派である四条派の画風を取り入れ、岸派の持つ癖の強い画風を変容させました。これにより、岸派の画風はより洗練され、幅広い層に受け入れられるようになりました。岸連山には、岸九岳という実子がいました。

四代目 岸竹堂

岸連山の弟子であり、後に養子（娘婿）となった岸竹堂は、四代目を務めました。彼は森寛斎や幸野楳嶺らと共に、明治草創期の近代京都画壇における重鎮として活躍しました。岸竹堂は、岸派の伝統である虎や鳥獣の絵だけでなく、洋画の陰影や遠近法を積極的に取り入れ、写実的な風景画なども描きました。しかし、岸派は岸竹堂の代をもって実質的な終焉を迎えました。

関連事項

望月派の祖である望月玉蟾は、岸駒に師事し、四条派と岸派の画風を融合させた独自の画風を確立しました。これは、岸派の影響力が他の流派にも及んでいたことを示す一例です。

もう一度検索