岸良兼養

岸良 兼養（きしら かねやす）について

岸良兼養（きしら かねやす）は、1837年の天保8年8月に生まれ、1883年の明治16年11月15日に亡くなった幕末の薩摩藩士であり、明治時代の著名な司法官です。彼は元老院議官及び大審院長を務めたことで知られ、通称は「七之丞」です。

生い立ちと初期の経歴

岸良兼養は薩摩藩士であった岸良兼善の長男として誕生しました。彼の人生は薩摩藩の政治的背景と密接に結びついており、特に島津久光の小姓として活動した経験が彼のキャリアに大きな影響を与えました。久光とその息子である島津忠義、そして精忠組の間での連絡役を果たす中で、彼は信頼を獲得し、政治的な地位を強化する基盤を築いていきました。

明治政府での活躍

明治時代の初期、岸良は明治政府に加わります。慶応4年閏4月23日（1868年6月13日）には、議政官の史官試補に任命され、その後も多くの重要な役職を歴任しました。監察司知事、弾正大巡察、刑部少丞などの役職では、法令の遵守や監視を行いながら、日本の法制度の確立に寄与しました。

明治4年7月9日（1871年8月24日）には、刑部省が弾正台と合併して新たに司法省が設立されると、同年の8月8日には司法少判事としての任命を受けました。この新しい司法制度の一環として、彼は法の運用を進めていきました。

渡欧と司法制度調査

1872年には司法制度のトレンドを学ぶために欧州に渡り、1873年9月7日に帰国します。この滞在中に得た知見は、帰国後の彼の司法活動や制度改革に大きな影響を与えました。帰国後の1883年には司法大検事に就任し、佐賀の乱や西南戦争後の裁判の指揮を執ることとなります。

大審院長としての時代

岸良は1877年6月28日に初代検事長に就任し、翌年の1879年10月25日には大審院長に転任しました。この役職では、日本の法制度を整理し、裁判の公正さを保つための努力を続けました。また、1881年7月27日には司法少輔として国政に関与し、1883年には元老院議官を兼任します。

病に倒れるまでの活動

岸良は病を患いながらも、司法界での責務を果たし続けましたが、1883年に亡くなるまでの数ヶ月間は在任中でした。彼の死後、岸良兼養は青山霊園に埋葬され、現在も彼の業績は評価されています。

親族と関係者

岸良兼養の弟には福岡県令を務めた岸良俊介がいます。彼の家系は日本の歴史において重要な役割を果たした人物たちを輩出しています。

もう一度、岸良兼養は日本の法制度の発展に多大な影響を与えた人物であり、彼の業績は今なお語り継がれています。

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