岸衛

岸 衛の生涯と業績

岸衛（きし まもる、1885年8月19日 - 1958年12月11日）は、日本の明治時代後期から昭和時代にかけて、政治家および実業家として多くの業績を残した人物です。熱海の観光産業に大きな影響を与えた彼は、熱海ホテルの経営者としても知られ、また衆議院議員や市長として地域社会の発展に寄与しました。

幼少期からの経歴

岸は埼玉県北足立郡浦和町にて、岸正三の長男として生まれました。1913年に家督を相続し、進学先の東京外国語学校英語科を1906年に卒業した後、彼は渡欧し、さまざまなホテルでの勤務を経て、27歳で帰国しました。この経験を活かし、帝国ホテルの副支配人としても活躍しました。1913年にはニューヨークのアスターホテルで半年間勤めた後、日本へ戻り、熱海ホテルの経営を開始しました。

熱海ホテルの成長

岸が経営する熱海ホテルは、1892年創業の樋口ホテルを基盤とし、彼と樋口ホテルの長女との結婚により、1916年末に改称されました。以降、岸は日本観光株式会社を設立し、新たにホテル用地を開発していきました。1922年には伊豆山中腹に新たなホテルを開業し、熱海における観光業の発展に貢献しました。

政治家としての活動

岸は熱海町の議会議員や町長を歴任し、さらに静岡県会議員としても活動しました。彼は1928年の第16回衆議院議員総選挙において静岡県第2区から立憲民政党の名で立候補し当選。以降、さらに2期にわたって衆議院議員を務めました。戦後の1947年には熱海市長に選出され、地域の発展に寄与しました。

趣味と文化への貢献

岸衛の趣味は浄瑠璃であり、この文化の普及にも力を入れました。日本浄瑠璃会の会長として活動し、地域文化の振興に寄与しました。

家族と背景

岸の家族は、父・岸正三が埼玉県出身、妻は樋口忠助の長女であり、忠助は熱海で旅館を経営していました。岸には4人の子どもがおり、それぞれ教育を受け、社会に貢献する一員となりました。長女の夏美は精華高女を卒業し、長男の治は慶応大学を卒業後、女子会館支配人としての職に就きました。

まとめ

岸衛は、明治から昭和にかけて、政治家としての顔だけでなく、実業家として観光業の発展に寄与し、地域文化の振興にも尽力した多面的な人物でした。彼の業績は今もなお、熱海の観光産業や地域社会に影響を与え続けています。

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