立憲民政党

立憲民政党（りっけんみんせいとう）は、昭和初期の日本において設立された自由主義の政党です。略称は民政党（みんせいとう）で、立憲政友会と共に二大政党として知られており、両党は衆議院における議席をほぼ半分に分け合いました。立憲民政党は1927年に、憲政会と政友本党が合併する形で創立され、党名は政友本党出身者の松田源治が提案し、憲政会出身の中野正剛が賛同したことから採用されました。

設立当初、濱口内閣と第2次若槻内閣を形成し、政権を担っていましたが、1940年には大政翼賛会に合流しました。立憲民政党の組織は、総務委員が議員や前議員の投票によって選出されていて、独裁色の強い政友会と対照的でした。しかし、総裁や幹部の選出においては、党大会での「総裁指名一任」の動議によって決まることが多く、幹部の権限が強い側面もありました。

政策的には、立憲民政党は議会中心の政治を目指し、「皇室中心主義」を提唱していた立憲政友会に対抗する形で「議会中心主義」を掲げていました。これにより、政策立案や広報を、おもに中野が担当し、綱領にも「議会中心政治の徹底」が盛り込まれました。また、社会政策として「資本と労働の平等」や「世界平和」、「教育機会の均等」を掲げるリベラルな政党でもありました。

1928年の衆議院選挙では216議席を獲得し、政友会に迫りますが、その後の選挙では政友会の復党工作などにより数回の苦境を迎えます。1930年の選挙では273議席を獲得しましたが、1932年の選挙では146議席に減少し、政治の変動に翻弄されました。

政友会と共に形成した二大政党制のもと、立憲民政党は幾度も政権を交代させながら政策を競い合いました。しかし、1930年代中盤から軍部の台頭による影響が強まり、次第に政党政治の機能が低下していきました。1940年、党内の内部対立や軍部への妥協が進む中、最終的に立憲民政党は解党し、大政翼賛会に吸収されました。

戦後、旧民政党の議員たちはGHQの指導と取り決めにより多くが公職追放され、これにより立憲民政党の歴史的な役割は終焉を迎えました。党の理念や基盤は、その後の日本の政治にも影響を与えたものの、具体的な政策には疑問が寄せられることもありました。現在では、立憲民政党の活動は日本の政党の歴史において重要な一章を成しています。

もう一度検索