岸誠二

岸誠二 - アニメーション監督

岸誠二（きし せいじ）は、日本のアニメーション界で活躍する監督・演出家で、その経歴や作品が多くのファンに愛されています。滋賀県高島市に生まれた彼は、幼少期から映画や漫画、アニメ、ゲームといった多様なメディアに触れて成長しました。特に、小学校2年生の時に描いた絵が数々の賞を受賞したことが、彼のアニメーション監督への道の始まりとなりました。

学生時代は絵画を学び、漫画も描くなど、創作活動を続けました。アニメーション制作を本格的に学ぶために代々木アニメーション学院に進学した岸は、当初宮崎駿が描くようなスタイルの監督になることを夢見ていました。しかし、アニメ業界の厳しさを知り、演出の道に転向することを決意。亜細亜堂にアニメーターとして入社した後、フリーランスを経て、株式会社ロジスティックスに加わり、アニメーション制作ツールの開発やゲーム用アニメーションの制作に携わったのです。

岸は演出家になるために、制作進行や他の役職を経ることを待てず、自ら営業活動を行い演出の道を切り開きました。この背景には、アニメ制作のビジネス面が挑戦的な時期であったことも影響しています。後に、彼はロジスティックスのアニメーション事業部「チームティルドーン」の設立に関与し、自らの演出スタイルを確立しました。2014年には第19回アニメーション神戸賞の個人賞を受賞するなど、彼の才能は広く認められています。

独特な監督デビューとエピソード

岸の監督デビュー作『かっぱまき』は、ほとんど経験のないまま監督に就任するという異例のスタートを切りました。彼はこの機会を得るために映像理論の学習に励み、独学で演出技術を身につけました。このため、岸の演出スタイルは非常に独創的と言われています。

また、彼は『瀬戸の花嫁』の第1話では声優出演も果たし、監督業に多才さを見せました。しかし、ヴァンプ将軍のオーディションに参加した際には「ダメダメ」と評価され、落選したという一面も持っています。

評価される一方で、豪快な性格を持ち合わせており、その性格はメディアでもしばしば取り上げられます。例えば、アニメージュの取材中に声の大きさから店員に注意されたエピソードもありますが、彼の仕事に対する姿勢は常に謙虚で、ファンを「お客様」と呼ぶ姿勢が印象的です。彼自身も、取材で「ゆっくりなら24時間呑める」と語り、ユーモアを交えつつ仕事に取り組む姿勢を見せています。

コラボレーションと作品

岸は、アニメ制作において多様なクリエイターと協力しており、特に『瀬戸の花嫁』以降は脚本家の上江洲誠、キャラクターデザイナーの森田和明、音響監督の飯田里樹、色彩設計の伊藤さき子などとのコラボレーションが顕著です。このような協力により、彼の作品はクオリティが保証されています。

現在も活躍を続け、新しい題材での実写やCGの制作にも意欲を見せています。これからも岸誠二の作品がどのように進化するのか、楽しみです。

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