岸谷孝一

岸谷 孝一

岸谷 孝一（きしたに こういち、1926年11月3日 - 1996年6月21日）は、日本における建築防災工学の権威であり、建築構造および材料の専門家としての地位を確立しました。彼は東京大学の名誉教授であり、多くの学術団体でのリーダーシップを発揮し、日本の建築技術の向上に寄与しました。

経歴

岸谷は1926年に大阪府で生まれました。1947年に旧制第三高等学校で理科を専攻した後、1951年には東京大学第一工学部建築学科を卒業しました。さらに、1952年からは東京大学の大学院特別研究生として学び続けました。

1957年には東京大学の講師に就任し、その後1961年に工学博士の学位を取得しました。1962年からは日本大学で非常勤講師として教鞭を執り、1973年には東京大学の教授に就任しました。1987年には定年退官し、同年に日本大学教授に移任しました。

研究と業績

岸谷は防災計画、建築材料に関する広範な専門知識を持ち、特にコンクリートの耐久性や災害時の材料の有毒性について研究を行いました。彼は日本建築学会や日本火災学会の会長を務めるなど、国際的な評価を得るとともに、多くの理事職を歴任しました。

彼の業績には、阪神・淡路大震災調査特別委員会の委員長をはじめ、建築技術審査委員会や日本圧接協会の会長など、多岐にわたる役職が含まれます。また、旧通産省の日本工業標準調査会建築部会の会長や、消防庁消防審議会の委員としても活動しました。

受賞歴と著書

岸谷はその研究において数多くの賞を受賞しています。特に、日本建築学会賞論文賞や日本火災学会賞論文賞、セメント協会論文賞などが挙げられます。さらに、彼が設計協力した施設には、著名なテーマパークであるサンリオファンタージェンがあります。

彼の著作には、「塩害 1」（コンクリート構造物の耐久性シリーズ）や「建築材料ハンドブック」、「建築の防火避難設計」、「アルカリ骨材反応」、さらには「建築学大系 13. 建築材料学」など、多岐にわたるテーマが研究されています。

まとめ

岸谷孝一は、日本の建築および防災において重要な役割を果たした人物です。彼の研究は、現代の建築技術と安全性において重要な指針を提供し、後の世代の研究者や技術者に大きな影響を与えました。彼の業績は、国内外での建築分野における防災技術の発展に寄与し続けています。

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