岸里駅

岸里駅

大阪市高速電気軌道（Osaka Metro）四つ橋線の駅である岸里駅は、大阪府大阪市西成区岸里一丁目に所在し、駅番号はY18が付与されています。当駅は西成区役所庁舎に直結しており、利用者にとって区役所へのアクセスが非常に便利です。

歴史

岸里駅の歴史は、1956年（昭和31年）6月1日に大阪市営地下鉄3号線（現在の四つ橋線）が花園町駅から延伸開業した際に始まります。この時点では終着駅として機能していました。約2年後の1958年（昭和33年）5月31日には、路線がさらに南の玉出駅まで延伸され、岸里駅は中間駅となりました。

駅設備の改修としては、2001年（平成13年）12月に西成区役所の建て替えに伴い、地上に設けられていた2号出入口の券売機や改札口が地下に移設される変更が行われました。また、運営主体の変更として、2018年（平成30年）4月1日には大阪市交通局の民営化に伴い、大阪市高速電気軌道（Osaka Metro）の駅となっています。利用者の安全対策として、比較的新しい動きでは2024年（令和6年）12月26日からホームに可動式ホーム柵が設置され、運用が開始されています。

駅構造

当駅は地下に位置する駅であり、相対式ホームが2面、線路が2線という構造です。改札口は合計で3箇所設けられており、1番ホームの大国町方、そして2番ホームの南北それぞれの端に配置されています。これらの改札口はすべてホームと同じフロアにあり、乗り換えや出入りがスムーズに行えるようになっています。ホーム同士を結ぶ連絡通路は線路の下を通過しており、互いのホームへの移動が可能です。

地上へのアクセスにはエレベーターが設置されており、岸里交差点の北側に位置しています。交差点の北西角にある3番出入口のエレベーターは、なんば・西梅田方面行きの列車が発着するホームに接続する改集札口へ通じています。一方、交差点の北東角に位置する2番出入口のエレベーター（西成区役所の地上階に接続）は、住之江公園・南港方面行きのホームに接続する改集札口へ通じています。ただし、ホームとホームを結ぶ連絡通路にはエレベーターは設置されていません。

利用状況

岸里駅の利用状況を見ると、近年では安定した推移を見せています。2024年11月12日に行われた特定日の調査における1日あたりの乗降人員は16,493人でした（乗車人員8,477人、降車人員8,016人）。この数値は、Osaka Metro四つ橋線の全駅の中で最も少ない乗降人員であり、次に少ない隣駅の花園町駅とはほぼ同程度の利用者数となっています。

過去の利用状況としては、1993年3月4日に大阪市営地下鉄堺筋線が動物園前駅から天下茶屋駅まで延伸開業した影響で、一時的に利用者が減少した時期がありました。しかし、その後約20年にわたり、駅周辺、特に天下茶屋駅寄りの再開発エリアでのマンション建設などが進んだことにより、乗降人員は15,000人から16,000人程度で推移し、落ち着いた傾向が見られます。

駅周辺

当駅は、南海本線およびOsaka Metro堺筋線の天下茶屋駅と比較的近接しています。両駅間の直線距離は約320メートルであり、徒歩での移動時間はおよそ6分とされています。当駅と天下茶屋駅の間には、梅田地区における各駅間のような公式な連絡運輸制度は設けられていませんが、駅構内には天下茶屋駅への乗り換えを示す誘導用の案内表示が設置されています。

その他

岸里駅は、開業前の計画段階では「皿池（さらいけ）」という仮称が使われていたことが知られています。これは当時の地域名に由来するものですが、駅周辺の限定的な地域名を指す「皿池」よりも、地域全体を代表する「岸里」の方が駅名にふさわしいという地元住民や市会議員の意見、さらには「血の池」と間違えられる懸念が指摘されたことなどから、開業直前に急遽「岸里」に名称が変更されたという経緯があります（なお、「岸里」が正式な町名として住居表示変更が行われたのは駅開業後の1973年です）。

また、当駅のホーム南側には、現在は使用されていない2両分のスペースが存在します。この未使用部分には、かつて1980年代頃まで大阪市営地下鉄で用いられていた、通称「ひげ文字」と呼ばれる独特の書体で書かれた古い駅名標が、ラインカラーの表示がない状態でそのまま残されています。この歴史的な駅名標は、走行中の電車の窓からも見ることができ、往時の地下鉄の雰囲気を今に伝えています。

隣の駅

Osaka Metro 四つ橋線

花園町駅 (Y17) - 岸里駅 (Y18) - 玉出駅 (Y19)

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