峨眉山と楽山大仏

峨眉山と楽山大仏：聖地と自然が織りなす世界遺産

峨眉山と楽山大仏は、中国四川省に位置するユネスコの世界遺産（複合遺産）です。この地は、仏教の聖地としての歴史的価値と、手つかずの自然が残る景観が評価され、世界中の人々を魅了しています。

峨眉山：仏教四大名山の一つ

峨眉山は、五台山、普陀山、九華山と並ぶ中国四大仏教名山の一つであり、古くから中国三大霊山としても知られています。後漢時代に最初の仏教寺院が建立されて以来、峨眉山は仏教の中心地として発展し、南宋時代には最盛期を迎えました。山全体が聖地とされ、数多くの寺院や文化財が点在しています。

峨眉山の文化的価値はもとより、その自然環境も特筆に値します。大規模な開発を免れた結果、この地域は豊かな自然が保護され、数多くの絶滅危惧種が生息する貴重な場所となっています。多様な植物相も有しており、その自然的側面も評価され、複合遺産としての登録に至りました。

楽山大仏：巨大な石仏

楽山大仏は、713年に建設が開始された巨大な磨崖仏（まがいぶつ）です。岷江、青衣江、大渡河の合流地点に位置し、水害から人々を守るために建立されました。その巨大さと精巧な技術は、訪れる人々を圧倒します。峨眉山とは少し離れた場所にありますが、その文化的価値の高さから、峨眉山と合わせて世界遺産として登録されました。

登録基準

峨眉山と楽山大仏は、以下の世界遺産登録基準を満たしています。

(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
峨眉山の寺院群と楽山大仏は、中国仏教の発展と、当時の建築技術を示す貴重な例です。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの。
峨眉山は仏教信仰の中心地として、楽山大仏は水害鎮護の願いを込めて建立され、人々の信仰と密接に結びついています。
* (10) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。
峨眉山は、多くの絶滅危惧種が生息する貴重な自然環境を有しています。

峨眉山と楽山大仏は、仏教文化と自然が融合した、他に類を見ない世界遺産です。その歴史的、文化的、そして自然的な価値は、人類にとってかけがえのない宝であり、未来へと大切に受け継がれていくことでしょう。

もう一度検索