島山安昌浩級潜水艦

島山安昌浩級潜水艦について

島山安昌浩級潜水艦（英: Dosan Ahn Chang-ho-class submarine）は、韓国海軍による通常動力型潜水艦の艦級ですね。この艦級は、韓国型潜水艦の第3段階（KSS-III）計画に基づくバッチ1として製造されています。特筆すべきは、潜水艦から発射される弾道ミサイル（SLBM）に対応した能力を備えている点です。建造費は約7億ドル、日本円にして約780億円とされています。

歴史的背景

韓国海軍は1980年代に入って、特殊潜航艇の取得を進めた後、本格的な潜水艦調達計画を開始しました。初期の段階では、ドイツの209型潜水艦が選ばれ、1バッチに3隻を発注する方式が採用されました。この方式は、その後の潜水艦建造計画においても引き継がれることになりました。最初の艦である張保皐はドイツのキール造船所で建造され、その過程で大宇造船海洋（DSME）からの技術者が派遣され、建造技術を習得しました。

続く第2段階（KSS-II）では、214型潜水艦が選定されましたが、建造者には未経験の現代重工業（HHI）が選ばれ、その結果、一部問題が発生しました。それでも、DSMEとHHIの間で交互に建造が行われたことで、潜水艦建造技術は向上し、国産比率も高まりました。

2007年2月にはKSS-III計画が始動し、設計から建造までのプロセスをすべて国内で行うことが決定されました。この計画の一環として、DSMEが設計を担当し、最初の艦は2014年に起工、2018年に進水しました。更に、この艦級に追加であたるバッチ2の基礎設計も行われました。

設計と性能

島山安昌浩級は、「3,000トン級中型潜水艦」として位置付けられています。水中排水量は約3,800トンで、従来の214型よりも大型化しています。こうした大型化により、垂直発射システム（VLS）を搭載することが可能になり、AIPシステムの性能も向上しました。特に、韓国は北朝鮮との緊張のためにこの大型化を行ったのではなく、日本を意識した設計がなされていると言われています。

艦の外形にもステルス性が求められ、上部構造物には傾斜した外板が採用されています。この設計によって、探知音の反射を減少させる効果が期待されています。さらに、音響タイルがセイル部分に貼付されており、アクティブ・ソナーへの対策が施されています。

機関に関しては、ディーゼル・エレクトリック方式を基本としており、非大気依存推進システムとして燃料電池も搭載されています。今後のバッチ2では、リチウムイオン蓄電池が導入されることも計画されていて、潜水艦の作戦能力がさらに向上する見込みです。

装備と武装

島山安昌浩級の兵装には、艦首に533mm魚雷発射管が8門設けられています。これによって、従来の電池式魚雷に加え、性能向上した新型魚雷も運用可能です。特に注目すべきは、セイルの後方に設置された6セルのVLS（垂直発射システム）です。これは、艦対地ミサイルの発射機として利用され、当初は巡航ミサイルが予定されていましたが、後にはSLBMとしての発展も見込まれています。

センサー機器は高性能なものが選ばれ、フランスのサフランが電子光学マストを供給し、戦闘管理システムはハンファが担当しています。このように、島山安昌浩級潜水艦は最新の技術に支えられた韓国海軍の中核をなす艦艇と言えるでしょう。

結論

島山安昌浩級潜水艦は、韓国の防衛能力を飛躍的に向上させるための重要な資産です。その設計、性能、装備の各側面において、韓国海軍の未来に向けた大きな可能性を秘めています。

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