島嶼地方 (パプアニューギニア)

島嶼地方（とうしょちほう）

パプアニューギニアという国家を構成する地理的な区分の一つに、「島嶼地方（とうしょちほう、英語名：Islands Region）」があります。この地方は、国内に設定されている四つの主要な地理的区分の一つとして位置づけられており、特にパプアニューギニアの東部地域に広がる広大な島々の集まりを指します。

島嶼地方は、主にビスマルク諸島や、地理的にはソロモン諸島の一部とされるブーゲンビル島とその周辺の島々を含むエリアです。その地理的な範囲は非常に広大であり、多くの島々が太平洋やビスマルク海、ソロモン海に点在しています。面積は合計で57,900平方キロメートルに及びますが、これは陸地の総面積であり、地方が管轄する海域を含めるとその規模はさらに広大になります。

人口については、2011年の国勢調査によると1,096,543人がこの地方に居住しています。多数の島々から成る地理的な特性から、それぞれの島や地域で独自の文化や言語が発展しており、多様性に富んだ人的環境が特徴です。

行政機構としての機能は持たず、あくまで統計や地域区分、開発計画などの文脈で用いられる地理的な分類ですが、以下の五つの州がこの島嶼地方に含まれています。

西ニューブリテン州 (West New Britain Province): ニューギニア島の北東に位置する大きな島、ニューブリテン島の西部を占めます。州都はキンベ。
ニューアイルランド州 (New Ireland Province): ニューブリテン島の北東に位置する細長い島、ニューアイルランド島とその周辺の島々から構成されます。州都はカビエン。
東ニューブリテン州 (East New Britain Province): ニューブリテン島の東部を占めます。州都はラバウル近郊のココポ。
ブーゲンビル自治州 (Autonomous Region of Bougainville): パプアニューギニアの最東端に位置し、地理的にはソロモン諸島の一部にあたるブーゲンビル島とブカ島などから成る自治州です。州都はブカ。
* マヌス州 (Manus Province): ビスマルク諸島の北端に位置するアドミラルティ諸島を構成する州です。主要な島はマヌス島。州都はロレンガウ。

これらの五つの州は、それぞれが独立した行政単位として機能していますが、地域的なまとまりとして島嶼地方という区分の中に包含されています。地方全体としては、海を隔てて点在する島々という地理的条件が、交通や物流、経済活動などに影響を与えています。しかし、同時に豊かな海洋資源や独特の生態系、そして多様な文化が育まれる基盤ともなっており、パプアニューギニアの中でも特に魅力的な地域の一つと言えます。

島嶼地方は、広大なパプアニューギニアの多様性を象徴する地域であり、その地理的な特徴は住民の生活や文化に深く根差しています。統計データや地域計画における重要な区分として、この地方は今後もパプアニューギニアの発展において独自の役割を果たしていくことが期待されます。

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