島村琢哉

島村琢哉：AGCを率いた実業家の軌跡

島村琢哉（しまむら たくや）は、1956年12月25日生まれの実業家です。AGC株式会社（旧・旭硝子）の取締役兼会長を務めています。公益財団法人旭硝子財団の理事長、公益社団法人新化学技術推進協会の代表者としても活躍しています。

生い立ちと学歴

島村氏は、岡山県で生まれ、神奈川県で育ちました。1975年に神奈川県立鎌倉高等学校を卒業後、1980年に慶應義塾大学経済学部を卒業しました。同年、旭硝子株式会社に入社し、実業家としてのキャリアをスタートさせました。

AGCでのキャリア

入社後30年以上にわたり、化学品部門で営業畑を歩み、海外子会社の社長や事業部門長などを歴任しました。2003年にはアサヒマスケミカル株式会社の社長に就任。その後、旭硝子株式会社で化学品カンパニーの企画・管理室長、執行役員化学品カンパニープレジデントなどを経て、2013年には常務執行役員電子カンパニープレジデントに就任しました。

2015年には、同社の社長執行役員CEOに就任し、グループ全体の改善活動を推進しました。翌2016年には代表取締役兼社長執行役員CEOとなり、経営トップとして会社を牽引しました。2021年には代表取締役兼会長に就任し、現在は取締役兼会長として、経営に携わっています。また、2022年には株式会社荏原製作所の独立社外取締役、JFEホールディングス株式会社の社外監査役（非常勤）にも就任しています。

経営者としての手腕

島村氏は、社長就任前の2年間は電子部門の責任者として手腕を振るいました。社長に就任した2015年は、会社が大幅な減益に直面していた時期でした。島村氏は、この状況を打開するため、「内向的な社内の雰囲気を変える」という改革に取り組みました。その結果、収益改善に繋がり、更なる成長に向けた経営計画を策定・発表しました。

人材育成への情熱

島村氏は、人材育成にも力を注ぎました。年間100回以上もの社内ミーティングを世界各国の社員と行い、「人財で勝つ」という言葉でその重要性を表現しました。人材育成は、企業の成長に不可欠であるという強い信念を持っていました。

コロナ禍での決断

2020年には、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、AGCの業績も悪化しました。島村氏は、この状況を重く受け止め、社長の座を退き、会長に就任することを決断しました。後任には、代表取締役兼専務執行役員CTOの平井良典氏が選ばれました。島村氏は、激動の時代においても、冷静な判断力と強いリーダーシップを発揮し、会社を導きました。

島村琢哉氏は、長年の経験と卓越した経営手腕でAGCを率い、その成長に大きく貢献した人物です。常に変革を恐れず、グローバルな視点で事業を推進する姿勢は、多くのビジネスパーソンにとって模範となるでしょう。

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