島村雄二

島村 雄二（しまむら ゆうじ）

島村雄二氏は、1951年10月6日に埼玉県で生まれた元プロ野球選手です。ポジションは内野手でした。

高校時代

埼玉県立大宮高等学校に進学した島村氏は、野球部で才能を開花させました。1年生だった1967年には、チームの一員として夏の甲子園に出場を果たします。この時、島村氏は控えの内野手という立場でしたが、高校球児にとって憧れの舞台での経験は大きな財産となりました。チームには、2学年上に後にプロ野球で活躍するエース金子勝美投手や吉田誠選手、1学年上に新井良雄選手、そして同期には後にプロ入りする鈴木治彦選手といった、錚々たる顔ぶれが揃っていました。

しかし、甲子園での戦いは厳しいものでした。1回戦で報徳学園と対戦し、9回裏二死までリードしていたにも関わらず、そこから反撃を許し、最後は大会史上初となる本盗による逆転サヨナラ負けという、劇的な形で姿を消すことになりました。

甲子園での悔しさを胸に、同年秋に地元で開催された秋季国体（埼玉国体）に出場。決勝では、当時高校球界屈指のエースとして知られた河原明投手を擁する大分商業高校との激闘を制し、見事優勝旗を手にしました。これは、島村氏にとって高校野球における最高の栄誉の一つとなりました。

2年生となった翌1968年夏には、三塁手のレギュラー、そして打線の中軸を担う七番打者としてチームを牽引しました。県予選では順調に勝ち進み、決勝まで駒を進めましたが、この年の選抜高校野球大会で優勝した大宮工業高校との一戦で、吉沢敏雄投手の前にわずか1点に抑えられ、0対1で惜しくも敗退。連続での夏の甲子園出場はなりませんでした。

同年秋の県予選では、同期の鈴木治彦投手が主戦となり、チームは準決勝まで進出しましたが、川口工業高校に延長13回の末、サヨナラ負けを喫しました。最終学年となった1969年春の県予選では、準決勝で立教高校を破って決勝に進出しましたが、深谷商業高校に惜敗し、またしても優勝を逃しました。最後の夏も県予選で敗退し、結局、1年生時以来の甲子園出場は実現しませんでした。

プロ野球時代

高校での活躍がプロのスカウトの目に留まり、1969年秋に行われたプロ野球ドラフト会議において、島村氏は広島カープ（現・広島東洋カープ）から7位指名を受けました。そして、プロ野球選手としての新たなキャリアをスタートさせることになりました。

プロ入り後、島村氏は内野手として期待されましたが、当時の広島カープは若い力が台頭しており、内野のポジション争いは非常に激しいものでした。懸命な努力を続けたものの、残念ながら一軍公式戦の出場機会を得ることはできませんでした。

プロ野球選手としての現役期間は、1970年から1972年までの3年間でした。この間、背番号は「48」を着用しました。そして、ルーキーイヤーから数えて3シーズン目となる1972年のシーズン終了をもって、島村氏は現役を引退することを決断しました。短いプロ野球生活ではありましたが、高校時代に培った経験とプロの世界で過ごした時間は、その後の人生において貴重なものとなったことでしょう。

一軍での出場記録は残りませんでしたが、高校時代の甲子園出場や国体優勝といった実績は、彼の野球人生における輝かしい足跡として記憶されています。

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