島根県立美術館

島根県立美術館：宍道湖の夕日と芸術の調和

島根県松江市にある島根県立美術館は、1999年3月の開館以来、山陰地方を代表する美術館として、地域文化の発展に貢献しています。その最大の特徴は、なんと言っても「水と調和する美術館」というコンセプトに基づいた、水に関する作品を数多く収蔵・展示している点です。

美術館は、日本の夕陽百選にも選ばれている宍道湖の東南岸に位置し、夕日観賞に最適な設計となっています。屋上展望テラスからは、宍道湖に沈む美しい夕日を眺めることができ、建物の西側は全面ガラス張りになっており、館内からも夕日の眺めを楽しむことができます。

2021年5月から2022年6月にかけて、耐震化工事のため休館していましたが、この間、金属製のつり天井がグラスファイバー製の膜天井に更新され、空調や照明設備も一新されました。リニューアルによって、鑑賞環境が格段に向上し、より快適に芸術作品を鑑賞できるようになりました。

館内の施設

美術館内には、充実した施設が整っています。企画展示室では、様々なテーマの企画展が開催され、来場者を魅了します。常設展示室は絵画、版画、工芸、写真、彫刻と、多様なジャンルの作品が5つの部屋に分けられて展示されています。それぞれの部屋では、時代や作家の違いによる表現方法の多様性に触れることができます。

その他にも、ギャラリー、アートスタジオ、アートライブラリー、講義室、ホール、エントランスロビー、中2階ロビー、2階ロビー、ミュージアムショップ、レストラン、ロッカールームなど、来館者が快適に過ごせるための施設が完備されています。

建築概要

建築設計は、菊竹清訓建築設計事務所が担当し、1996年10月に着工、1998年6月に竣工しました。鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造の地上2階建てで、最高高さは15.5mです。敷地面積は14,746平方メートル、建築面積は9,311.92平方メートル、延床面積は12,498.88平方メートルです。屋根には日本製鉄製のTranTixxiiチタンが使用されています。

所蔵作品

島根県立美術館は、質の高いコレクションを誇ります。桃山時代後期の「柳橋水車図屏風」や、17世紀の洛中洛外図屏風など、日本絵画史における重要な作品を数多く所蔵しています。また、狩野探幽、池大雅、菱田春草、下村観山など、著名な画家の作品も収蔵されており、日本美術の歴史と多様性を垣間見ることができます。さらに、近代西洋絵画のコレクションも充実しており、クールベ、ゴーギャン、モネなどの作品も鑑賞できます。

これらの作品は、時代や画家の個性を反映した表現方法の違いを見せるだけでなく、日本と西洋の美術文化を比較検討する上で貴重な資料となっています。

アクセスと開館時間

JR山陰本線松江駅から徒歩15分、またはレイクラインバスで「島根県立美術館」バス停下車すぐです。開館時間は午前10時～午後6時30分（展示室への入場は午後6時まで）で、火曜日は休館です。3月から9月までは、日没30分後まで開館時間を延長します。

まとめ

島根県立美術館は、宍道湖の美しい夕景と、充実した美術コレクション、そして快適な鑑賞環境を兼ね備えた、魅力的な美術館です。島根県を訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。

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