島根県道・広島県道114号今福芸北線

島根県道・広島県道114号今福芸北線

島根県浜田市と広島県山県郡北広島町を結ぶ主要な一般県道です。中国地方の山間部を縦断するように位置し、異なる県域の地域間を結ぶ重要なルートの一つとなっています。

概要

この路線は、島根県浜田市金城町今福を起点とし、広島県山県郡北広島町荒神原に至ります。県境を跨ぐ形で整備されており、地域の生活や経済を支える役割を担っています。ただし、一部区間には通行が不可能な箇所や、特定の期間に通行が閉鎖される区間が存在するため、利用の際には注意が必要です。

路線データ

起点: 島根県浜田市金城町今福に位置します。ここでは、島根県道・広島県道5号浜田八重可部線と接続しており、広域的なアクセスを担う主要地方道への結節点となっています。
終点: 広島県山県郡北広島町荒神原の亀山交差点です。国道186号および広島県道307号八幡雲耕線と交差しており、中国自動車道戸河内IC方面や北広島町の中心部などへのアクセス拠点としての役割を果たしています。
通行不能区間: 島根県浜田市金城町小国の一部区間は、現在車両での通行が不可能です。この区間を迂回するには、比較的整備された緑資源幹線林道を利用し、その途中にある雲月トンネルを経由するルートが指定されています。このため、本路線を全線通して利用することはできません。
冬期通行不能区間: 毎年冬期には、島根県浜田市金城町小国から広島県山県郡北広島町土橋にかけての約2.3キロメートル区間が閉鎖されます。閉鎖期間は例年12月15日から翌年の3月15日までの約3ヶ月間であり、この期間中は降雪や路面凍結により通行が危険となるため、交通規制が行われます。この期間は、県境を越える移動手段が限られるため、地域の交通に影響を及ぼします。

歴史

この路線は、1994年（平成6年）4月1日に一般県道として認定されました。現在の路線が成立する前は、島根県道・広島県道114号今福戸河内線という名称で呼ばれていました。しかし、主要地方道である島根県道・広島県道11号旭戸河内線が指定・昇格されたことに伴い、その一部区間が現在の今福芸北線として分離・再編成されたものです。この歴史的経緯は、周辺地域の道路網再編と密接に関連しています。

路線状況

路線のうち、起点から島根県浜田市金城町小国の金城カントリークラブ南側付近にかけての区間では、かつて旧国鉄の今福線として計画・建設が進められながらも、結局は放棄された鉄道路線の予定地が並行して存在しています。これは、地域の交通計画における歴史的な名残と言えます。

特に島根県と広島県の県境付近の山間部においては、道路の幅員が狭くなっている箇所が多く、大型トラックやバスといった大型車両での通行は困難な状況です。普通車であっても、対向車とのすれ違いには十分な注意が必要となります。

以下の区間では、他の県道と重複して指定されています。
島根県道52号弥栄旭インター線: 島根県浜田市金城町小国
島根県道・広島県道113号都川中野線: 広島県山県郡北広島町草安

地理

この路線が通過する自治体は以下の通りです。
島根県
浜田市
広島県
山県郡北広島町

沿線には、地域の教育機関である浜田市立今福小学校や、レジャー施設として金城カントリークラブ、かなぎウェスタンライディングパークなどがあります。また、標高911メートルを誇る雲月山（うんげつざん）や、その周辺に整備された雲月山キャンプ場もこの路線の近くに位置しており、自然景観やアウトドア活動の拠点となっています。さらに、広島畜産開発事業団が運営する俵原牧場なども沿線にあり、地域の産業とも関わりを持っています。

接続する主な道路

島根県道・広島県道5号浜田八重可部線
国道186号
広島県道307号八幡雲耕線

関連事項

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