島津久長 (加治木家)

島津久長（しまづ ひさなが）

島津久長は、文化15年2月18日（1818年3月24日）に生まれ、安政3年12月7日（1857年1月2日）に没した、江戸時代後期の薩摩藩士です。島津一門四家の一つである加治木島津家の当主を務めました。通称は又八郎、兵庫。

生涯

父は島津久徳で、その子として生まれました。父の代に異例の登用を受け、久長自身も藩から重用されました。嘉永3年（1850年）に家督を継ぎ、翌嘉永4年（1851年）には、藩主に襲封した島津斉彬に、他の一門家当主とともに登城しています。さらに、翌年には斉彬の初参勤に従って江戸へ上りました。

藩政においては、海軍備増強に特に功績を残しました。当時の薩摩藩は、外国からの圧力に対応するため、海軍力の強化が急務でした。その中で、久長は積極的に海軍力増強に取り組み、薩摩藩の防衛体制を強化しました。

また、久長は島津家と縁の深い近衛家との関係を深めることにも貢献しました。娘の貞姫を、島津久光と斉彬の養女として、近衛忠房に嫁がせています。この婚姻は、島津家と近衛家の関係をより強固なものとし、政治的な結びつきを深める上で重要な役割を果たしました。

系譜

父：島津久徳
母：不詳
妻：不詳
女子：光子（後の貞姫）- 島津斉彬養女、近衛忠房正室


島津久長は、藩主の島津斉彬を支え、藩政の発展に大きく貢献しました。その功績は、薩摩藩の歴史において重要な位置を占めています。特に海軍力増強における貢献は、幕末の動乱期を前にした薩摩藩の国防体制を整える上で大きな役割を果たしました。

加治木島津家当主として、藩政を支え、家としての役割も果たした人物として、歴史に名を残しています。

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