島津久長 (豊州家)

島津久長（しまづ ひさなが）

島津久長は、江戸時代後期の薩摩藩士であり、島津豊州家の14代目当主です。生年は不明ですが、天保5年6月18日（1834年7月24日）に亡くなりました。父は島津久中。藩主島津斉興に仕え、家格は一所持、私領は薩摩国黒木でした。諱は久長で、通称は初め藤次郎、後に内膳、丹波と改称しました。最終的には家老まで昇進し、藩政において重要な役割を担いました。

経歴

『文化朋党実録』には「島津藤次郎」として登場し、文化5年（1808年）1月26日に小姓組頭番頭であった久長は、用人としての勤務を命じられました。同年6月には、樺山久言の親類に家老頴娃信濃の命令を伝達する役目を務めています。文政9年（1826年）5月28日には家老に就任し、その職務中に死去しました。家督は子の島津久宝が継承しています。

また、久長は家老としての職務だけでなく、大隅国内之浦郷や大崎郷、小根占郷、そして日向国高崎郷の地頭も務め、それぞれの地域において行政官としての役割も果たしました。これらの地頭としての経験は、彼の藩政における見識を深める上で重要な要素になったと考えられます。

年譜

文化6年（1809年）1月11日：内之浦郷地頭に就任。
文政2年（1819年）10月17日：内之浦郷地頭から大崎郷地頭に転任。
文政7年（1824年）12月30日：大崎郷地頭から小根占郷地頭に転任。
文政9年（1826年）11月28日：小根占郷地頭から高岡郷地頭に転任。

系譜

父：島津久中
母：不詳
妻：島津久大の娘
男子：島津久宝

人物像

島津久長は、薩摩藩における重要な役職を歴任し、藩政に貢献した人物です。小姓組頭番頭から用人、そして最終的には家老にまで昇進したことからも、彼の能力と人望の高さが伺えます。また、複数の地頭を歴任した経験は、地域行政に対する深い知識と理解を彼に与えたと考えられます。彼の生涯は、薩摩藩の歴史を理解する上で重要な一面を示しています。

参考文献

「鹿児島県史料 島津斉宣・斉興公史料」
「鹿児島県史料 旧記雑録拾遺 諸氏系譜1」
* 「鹿児島市史三」

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