島津登

島津登（しまづ のぼる）は、生没年不詳の人物で、幕末の薩摩藩において家老を務めた人物です。諱（いみな）は久包（ひさかね）といい、島津久籌（しまづ ひさかず）の父としても知られています。

島津登は、藩主・島津斉彬（しまづ なりあきら）に仕え、その才能を発揮しました。特に、琉球大砲船の建造においては中心的な役割を果たし、その実績が記録に残っています。安政元年（1854年）には、彼の尽力によって「昇平丸（しょうへいまる）」という大砲船が完成しました。これは、当時の薩摩藩における造船技術の高さを象徴する出来事でした。

斉彬の死後、島津忠義（しまづ ただよし）の代になると、島津登は家老という重職に就き、藩政の中枢で活躍しました。幕末の動乱期には、戊辰戦争（ぼしんせんそう）にも参戦し、薩摩藩兵を率いて各地を転戦しました。その戦場は、遠く秋田にまで及んだとされています。彼は、激動の時代において、薩摩藩のために尽力し、その生涯を終えました。

島津登に関する詳しい記録は多く残されていませんが、彼の功績は、薩摩藩の歴史において重要な位置を占めています。特に、琉球大砲船の建造における功績は、当時の技術水準の高さを物語るものであり、戊辰戦争における活躍は、薩摩藩の武力を示すものとして、後世に語り継がれています。島津登は、薩摩藩の発展に大きく貢献した人物として、その名を歴史に刻んでいます。

参考資料として、『角川日本姓氏歴史人物大辞典　鹿児島県姓氏家系大辞典』（鹿児島県姓氏家系大辞典編纂委員会、角川書店、1994年）が挙げられます。この資料には、島津登に関する情報が詳しく記載されています。

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