島田廣

島田 廣の伝説的バレエ人生

島田 廣（しまだ ひろし）は、1919年9月27日に京城（現在のソウル）で生まれました。彼は日本のバレエの発展に多大な貢献をしたダンサー、振付家、指導者として知られています。彼の本名は白成珪であり、大正時代の日本バレエ界においてその後の基盤を作り上げる重要な役割を果たしました。

学生時代とバレエとの出会い

彼はコリアン・クリスチャン・カレッジで英文科に在籍していましたが、父親の反対を受けて日本に渡ることになりました。慶応義塾大学への編入を試みましたが、親の同意が得られず、日本大学芸術科に進学することになりました。この頃、島田はエリアナ・パヴロワに師事し、バレエの稽古を始めますが、当時はバレエを本気で続けるつもりはなかったようです。彼は学生新聞に寄稿したり政治的な本を読んでいたため、当局から目をつけられることもありました。

舞台での活躍

1940年11月に『白鳥の湖』の公演に出演し、ダンスの世界でのキャリアをスタートさせました。この舞台では、オデット役をパヴロワが踊る中、彼はジークフリート王子の役を任されました。パヴロワの指導は厳しく、彼がリフトした際にポアントが音を立てると、髪を掴まれて床に叩きつけられることもありましたが、次第に彼はその厳しさを受け入れて成長していきました。

1946年には服部智恵子と共に「服部・島田舞踊団」を設立し、戦局が厳しくなる中でも、多様な舞台を開いていきます。戦後、島田はバレエを広めるために活動を続け、1946年には東京バレエ団を結成し、初演『白鳥の湖』を成功させました。これにより、彼らは当時のバレエ団の中でも重要な存在となっていきました。

様々な活動と受賞歴

その後、島田は『恋は魔術師』や『令嬢ジュリー』など、多くの振付作品を発表しました。『令嬢ジュリー』は特に評価され、1960年には文部大臣賞を受賞しました。また、彼は日本バレエ協会の設立にも関与し、協会設立総会では司会を務めるなど、そのリーダーシップも発揮しました。

1986年には紫綬褒章を受章し、2002年には文化功労者として表彰されました。さらに、1993年には新国立劇場の舞踊部門初代芸術監督に任命されるなど、舞台芸術の発展に尽力しました。

最晩年と遺産

島田は2013年7月25日に心不全で亡くなり、93年の生涯を閉じました。彼の影響力は今でも日本のバレエ界に息づいており、彼が築いた基盤は多くのダンサーや振付家に受け継がれています。彼の業績は後世においても色あせることなく、バレエ界の発展に寄与し続けることでしょう。彼の物語は、今なお多くの人々にインスピレーションを与えています。

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