島田章三

島田章三について

島田章三（しまだ しょうぞう）は、1933年7月24日に神奈川県横須賀市で生まれた日本の洋画家・版画家です。彼は愛知県立芸術大学の元学長であり、その教育者としての業績も大きいです。画家としての彼のスタイルは、特にキュビズムの要素を取り入れた独特なものであり、その表現は「かたちびと」と呼ばれています。彼の芸術は、多くの若手アーティストに影響を与え続けています。

幼少期と教育

島田は父、英之が長野県出身で、母、敏子は歌人として活動していました。彼は兄弟の中で三男として生まれ、兄弟には陽一、修二、迪男、嘉寿江がいます。幼少期には横須賀市の大津尋常高等小学校に入学しましたが、1943年には健康上の理由で1年間休学を余儀なくされました。この入院中の経験が彼の後の作品『炎』に影響を与えました。

1945年に横須賀に戻った後、1950年代には県立横須賀高等学校に通い、美術部に所属しました。その後、東京藝術大学に進学し、本格的な絵画の学びを深めます。

芸術家としてのキャリア

1957年、彼の作品『ノイローゼ』で国画賞を受賞したことで画壇にデビューしました。続いて1980年には『炎』により東郷青児美術館大賞を受賞するなど、数々の受賞歴を持ちます。彼の初個展は1957年、銀座のフォルム画廊で開催されました。

教育者としての役割

1960年代には、愛知県立芸術大学で講師として働き、多くの後進を育てました。生徒の中には著名なアーティストの奈良美智が含まれ、彼の指導は後世に多くの影響を与えました。1980年代以降、彼は大学の教授や学長としても大きく貢献しました。

海外交流と影響

彼はヨーロッパにも留学し、ここでピカソやブラックの作品に触れました。それらの影響を受けて、キュビズムを日本の文脈で解釈することに情熱を注ぎ、独自のスタイルを築きました。

後年と死去

島田は画家としてだけでなく、教育者、文化人としても多くの評価を受けました。彼は1967年から1992年まで愛知県立芸術大学で教授を務め、以後も名誉教授としてその名声をはく奮しました。2016年11月26日、名古屋市の自宅にて膵臓癌のため83歳で他界し、正四位に叙されました。彼の死は日本の現代美術界に大きな損失をもたらしました。

作品と評価

島田の作品は多岐にわたり、油絵から版画、デッサンまで多様な技法を駆使して表現されています。また、彼の作品には個別のテーマに基づいたシリーズも多く、特に版画においてその技術と独自の視点が際立っています。彼の芸術は多くの展覧会で展示され、国内外で高く評価され続けています。

彼の作品は今も多くの人々に感動を与え、現代に生きるアーティストたちにとってのインスピレーションとなっています。

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