島谷六郎

島谷 六郎 - 日本の法律界の巨星

島谷 六郎（しまたに ろくろう、1920年1月24日 - 2006年11月21日）は、日本を代表する弁護士であり、最高裁判所の判事として知られています。富山県に生まれた彼は、旧制富山高校を経て1942年に東京帝国大学法学部を卒業し、海軍法務官として生涯をスタートしました。

戦後の捕虜生活

第二次世界大戦終了後、島谷は中国の海南島で抑留され、約2年間の捕虜生活を強いられました。この厳しい経験は彼の人生観や法律観に大きな影響を与えたことでしょう。戦後、彼は1948年に司法修習生となり、1950年に正式に弁護士としてのキャリアを開始しました。

初期の法的キャリア

彼の初期の職業生活は、藤林益三の事務所に籍を置きながら刑事事件を担当するところから始まりました。しかし、徐々に彼は銀行や企業の顧問弁護士としての役割を担うようになり、特に銀行取引や会社関係の訴訟に関して深い知識を持つようになりました。

さらに、島谷は日本弁護士連合会において外国弁護士対策委員会の初代委員長を務め、司法研修所で教官としても活動し、東京地裁の調停委員も務めるなど、その多岐にわたる活動を通じて日本の法律界に多大な影響を与えました。

最高裁判所判事としての業績

1984年の5月、島谷は最高裁判所判事に就任しました。就任時の記者会見では、「人間は強い面と弱い面をあわせもつ。その人間に対する思いやりをもってこそ法律家がつとまる」という言葉を残し、人間の本質を法律においてどう扱うべきかという深い視点を示しました。

彼はこの地位において数多くの重要な判例に関与しました。例えば、1984年12月12日の札幌税関検査事件では、関税定率法に基づくポルノの税関検査を合憲とする多数意見に対し、違憲とする反対意見を表明しました。また、1985年の福岡県青少年保護条例事件では、淫行条例の合憲性に対し同様の反対意見を述べ、権利の制限に関する深い考察を展開しました。

1990年には、彼は定年退官を迎えましたが、その後の人生でも法律に対する情熱と取り組みを忘れなかったと言われています。

結論

島谷六郎は日本の法律界で果たした功績は計り知れず、彼の考え方は今なお多くの法律家に影響を与え続けています。彼の業績はさまざまな文献や研究で取り上げられ、後世に語り継がれています。

参考文献

• - 野村二郎『最高裁全裁判官：人と判決』三省堂、1986年。
• - 野村二郎『日本の裁判史を読む事典』自由国民社、2004年。

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