崑崙関の戦い

崑崙関の戦いについて

崑崙関の戦いは、日中戦争の中で起こった重要な戦闘の一つであり、1939年12月17日から1940年1月中旬にかけて、広西省の崑崙関周辺で展開されました。この戦闘は、日本軍と中国軍が南寧の奪回を目指して激しく衝突した結果、数多くの犠牲者を出しつつ、両軍にとって大きな戦略的意味を持つものでした。

背景

戦争が続く中、日本は1939年11月に広西省に上陸し、南寧を占領しました。これに対抗する形で、中国側も南寧奪回に向けた軍の派遣を決定し、多数の部隊を投入しました。国民政府の蔣介石は、南寧周辺の防衛を重要視し、機械化部隊や航空支援までも行い、合計25個師団ほどの兵力が南寧を目指すことになりました。

地理的特徴

崑崙関が位置する北部の山地帯は、標高300〜500メートルの小高地が多く、道が錯綜しています。南寧から北上する道路の他、賓陽へ通じる賓寧公路もありますが、これらの関門は日本軍にとって防衛の要所となりました。

参加兵力

日本軍

• - 第5師団（師団長：今村均中将）
• - 歩兵第21旅団（中村支隊）
• - 歩兵第42連隊松本大隊
• - 台湾歩兵部隊など。

中国軍

• - 総司令：白崇禧
• - 第5軍（軍長：杜聿明）
• - 装甲兵団および騎兵団など。

戦闘の経過

12月17日、中国軍が崑崙関に攻撃を開始します。初日は松本大隊が健闘したものの、その後中国軍の包囲網が強化され、補給線が断たれる事態に陥ります。12月19日には中国軍が増強を続け、崑崙関だけでなく南寧北方の防衛ラインにも攻撃を加えました。

12月20日から21日にかけて、状況はさらに厳しくなり、日本軍の弾薬は不足し続け、中国軍機の攻撃が強まります。弾薬補給を試みるも中国軍の圧迫が続き、戦局は困難を極めました。12月24日には中村支隊長が重傷を負い、翌25日には戦闘が激化しつつ、槍や手榴弾による白兵戦が展開されるなど、接近戦も繰り広げられました。

日本軍の後退

12月31日、日本軍は九唐の陣地へ後退する決断を下します。この後、戦線は調整され、1月1日には及川支隊が防衛にあたることになりました。1月6日まで戦闘が続き、日本軍は再び南寧を目指して行動を開始しました。

戦闘の結果

戦闘の結果、日本軍の損害は戦死376、戦傷755、行方不明37名で、損耗率は約45%に達しました。一方、中国側の損害は、約29,339名が戦死・負傷または行方不明になりました。両軍はこの戦闘を通じて、大きな人的被害を被った他、戦略的損失をも背負うことになったのです。崑崙関の戦いは、日中戦争の激化を象徴する出来事となり、その後の戦局に多大な影響をもたらしました。

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