白崇禧

白崇禧（はく すうき）

白崇禧は中華民国の軍人、政治家、回族かつイスラム教徒であり、国民革命軍の陸軍一級上将として名を馳せました。彼は特に「新桂系」と称される広西軍閥の指導者の一人として注目され、蔣介石と同盟を組みながらも独自の地位を築いていきました。

軍閥時代

彼の家系はペルシャの商人の子孫で、旧姓のBaiderludenから白に改姓しました。広西省の陸軍学校で黄紹竑や李宗仁と共に学び、近代的な軍の形成に寄与しました。白崇禧は特に孫文を支持し、1924年には広西省の陸栄廷に対して攻撃を仕掛け、新桂系の一員として指導的役割を果たします。この運動を通じて広西省は中華民国政府の管轄下に置かれ、彼と李宗仁は新しい政局における重要人物となりました。

北伐（1926年 - 1928年）では国民革命軍の参謀長として敵軍に次々と勝利を収め、特に1927年には杭州や上海を征服。国民革命軍と上海の労働組合の共産党に対する攻撃にも参加し、後に北京に入城する際にその戦績から「小諸葛亮」と呼ばれるまでになりました。

しかし、蔣介石の権威が強まる中、白崇禧は一時的にベトナムに避難を余儀なくされ、その後広西省の復興に貢献。日中戦争の期間中には、90万人以上の兵士を供給した広西省は進歩的な政府を持つ典型的な地域とされました。

日中戦争

日中戦争の正式な発端は1937年に発生した盧溝橋事件ですが、白崇禧は同年8月に蔣介石に呼ばれ中央政府に復帰します。この期間、彼は戦略家としての役割を果たし、敵の補給線を崩すゲリラ戦を提案。多くの作戦に参加し、特に台児荘の戦いでは李宗仁と協力して勝利を収めました。この戦いは日本軍の前進を数ヶ月間にわたり妨害し続け、中国の防衛に貢献しました。

さらに、彼は長沙の防衛を監督し、3度の長沙会戦で日本軍の攻撃を退けるなど、顕著な成果を上げました。後には桂南会戦や崑崙関の戦いでも指揮を執り、広西省の防衛に尽力します。

国共内戦

1945年の日本の敗戦後、国共内戦が再燃。白崇禧は蔣介石によって指揮を任され、特殊な勝利を収めるものの、次第に彼の権威は失われていきました。1946年6月に国防部長に任命されるも、蔣介石の個人的な指揮が強まり、戦局は不利な状況に陥ります。

台湾での活動

台湾での暴動を受け、白崇禧は和平の仲介として派遣されます。彼は行政府の改革と民心の安定化を提言し、成功を収めたものの、蔣介石との意見の対立が続きました。最終的には、1949年に部隊を台湾へ移し、戦略顧問としての役を果たしました。

1966年12月1日、脳血栓症でこの世を去り、台北市のイスラム墓地に埋葬されています。白崇禧の戦略家としての名声は、歴史家や軍人たちによって高く評価されています。彼の子息である白先勇は、アメリカに住む著名な作家として知られています。

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